相続というと、土地や建物、預貯金などを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、ご家族が亡くなったときに残される財産には、自動車やバイクもあります。
「親が乗っていた車を、そのまま家族が使っている」
「車の名義変更をしなければと思いながら、後回しになっている」
「不動産の相続手続きは進めているけれど、車のことはよく分からない」
このような状況で、車の相続手続きについて悩まれる方もいらっしゃいます。
ゆめのほし行政書士事務所では、名古屋市にお住まいの方を対象に、自動車・バイクの相続に伴う名義変更などの手続きをお手伝いしています。
今回は、不動産だけではない相続財産の一つとして、自動車の相続で知っておきたいことをご紹介します。
日常生活に使っていた車が相続の対象になることも
通院や買い物、仕事、家族の送迎など、日常生活で車を使っているご家庭は少なくありません。
そのため、ご家族が亡くなったあとも、残された車を家族が引き続き使うことがあります。
車がこれまでどおり使える状態だと、名義変更などの手続きを急いで考える機会がないかもしれません。
また、葬儀や預貯金、不動産などの相続手続きに追われ、車のことまで手が回らない場合もあるでしょう。
しかし、自動車も相続に関係する財産です。
使い続ける場合でも、売却する場合でも、廃車にする場合でも、まずは誰が車を引き継ぐのか、今後どのように扱うのかを整理することが大切です。
車も相続の対象です
亡くなった方が所有していた自動車は、原則として相続財産に含まれます。
ただし、車検証に記載されている所有者が亡くなった方とは限りません。ローン会社や販売会社などが所有者になっている場合もあるため、車検証の記載内容や契約の状況によって、必要な手続きが変わります。
また、車を誰が引き継ぐのかによっても、その後の進め方は異なります。
例えば、次のようなケースが考えられます。
- 配偶者が車を引き継いで使い続ける
- 子どもの一人が車を相続する
- 相続した車を親族や知人に譲る
- 今後使う予定がないため、売却や廃車を検討する
家族の中で引き継ぐ人が決まっているように思えても、相続人が複数いる場合には、必要に応じて相続人全員の合意を整え、所定の書類を準備する必要があります。
自動車だけを対象とする遺産分割協議書を作成できる場合もあります。不動産や預貯金など、ほかの相続財産についての話し合いと分けて進められるかどうかは、個別の状況によって異なります。
自動車の遺産分割協議書については、こちらの記事でも取り上げています。

家族がそのまま車を使っている場合も、名義を整理することが大切です
「父が亡くなったあとも、母がその車に乗っている」
「祖父名義の車を、孫が使い続けている」
このような場合、車が動いていて日常生活に支障がなくても、登録上の名義が自動的に家族へ変わるわけではありません。
名義が亡くなった方のままになっていると、将来、車を売却したり、別の家族へ譲ったり、廃車にしたりするときに、相続関係の書類を準備する必要が生じます。
時間が経過してから手続きを始めると、相続人の状況が変わっていたり、必要な書類を集めるのに時間がかかったりすることもあります。
一方で、相続が発生した直後に、すべての手続きが簡単に進むとは限りません。誰が車を引き継ぐか決まっていない場合などは、先に整理すべきことがあります。
亡くなった家族名義の車を使い続けている場合については、こちらの記事も参考になります。

普通車の相続による名義変更には、原則として登録の申請期限もあります。手続きが遅れている場合でも、期限を過ぎたからといって、直ちに相続による名義変更ができなくなるわけではありません。現在の状況に応じて、必要な手続きを進めることが大切です。
名義変更の期限については、こちらの記事で取り上げています。

相続人の状況によっては、通常どおりに進められないこともあります
自動車の相続では、車を引き継ぐ人だけでなく、ほかの相続人の状況も関係します。
例えば、相続人の中に、認知症などによって判断能力に不安がある方がいる場合です。
このようなときは、ご本人が相続の内容を理解して意思を示せるかどうかなど、個別の事情を踏まえて考える必要があります。
家族だからといって、本人に代わって自由に同意したり、署名や押印をしたりできるわけではありません。必要に応じて成年後見制度などの検討が必要になる場合もあります。
このような問題があるときは、名義変更の書類を用意することだけを先に進めるのではなく、相続に関する問題を整理することが重要です。
判断能力に不安がある家族と自動車の相続については、こちらの記事もご覧ください。

また、実印や印鑑登録が関係する場合にも、本人の意思や判断能力を踏まえて対応する必要があります。

車検証の所有者がローン会社や販売会社になっている場合
相続した車の車検証を見たところ、亡くなった方ではなく、ローン会社や販売会社などが所有者として記載されている場合もあります。
この場合、亡くなった方が実際に車を使用していたとしても、そのまま通常の相続による名義変更を進められるとは限りません。
ローンが残っているのか、すでに完済しているのか、所有権を変更するためにどのような手続きが必要なのかによって、対応が変わります。
所有者がローン会社になっている車の相続については、こちらの記事でも取り上げています。

相続した車を使わない場合は、譲渡や売却も選択肢になります
相続した車を自分で使う予定がない場合、必ずしもそのまま乗り続ける必要はありません。
相続人の間で必要な合意を整えたうえで、親族や知人に譲ったり、販売店などに売却したりする方法も考えられます。
ただし、亡くなった方の名義から第三者へ直接名義を変更できるかどうかは、相続関係や登録の条件によって異なります。
車を誰が相続するのか、誰に譲るのか、どのような書類が必要なのかを整理して進めることが大切です。
相続した車を身内や知人に譲りたい場合については、こちらの記事もご覧ください。

相続した車のナンバープレートも、名義変更とあわせて考えましょう
相続した車を引き続き使う場合、名義変更だけでなく、ナンバープレートの交換が必要になることもあります。
例えば、車を使う場所が変わり、登録上の管轄が変わる場合などです。普通車では、ナンバープレートの交換に伴って封印の取付けも関係します。
一方、名義変更をすれば必ずナンバープレートを交換しなければならない、というわけではありません。
相続した車のナンバープレートをそのまま使えるかどうかについては、こちらの記事をご覧ください。

当事務所がお手伝いできること
ゆめのほし行政書士事務所では、名古屋市にお住まいの方を対象に、自動車・バイクの相続に伴う名義変更など、実際の手続きをお手伝いしています。
例えば、次のような手続きに対応しています。
- 相続による名義変更
相続関係や車検証の記載内容に応じて、必要書類を整理し、名義変更に必要な書類の作成や登録手続きをお手伝いします。 - 軽自動車・バイクの相続手続き
普通車とは異なる手続きや必要書類を踏まえ、車種に応じた名義変更などをお手伝いします。 - 相続に伴うナンバープレートの交換
管轄変更などにより交換が必要な場合、登録手続きとあわせて、対応できる条件のもとでナンバープレートの交換や封印の取付けをお手伝いします。 - 相続した車を譲渡・売却する際の名義変更
相続関係や譲渡先などの状況に応じて、必要な書類や登録手続きを整理し、対応できる範囲でお手伝いします。
なお、相続人同士の争いや代理交渉、成年後見制度の利用についての法的判断などは、当事務所で取り扱う自動車の登録手続きとは別の問題です。事情によっては、弁護士などの専門家への相談が必要になる場合があります。
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