自動車を個人売買するとき、手続きは誰に任せるのが正解?法律・実務・契約の違い
インターネットなどを通じて、面識のない相手と自動車を個人売買することは、珍しくなくなりました。
個人売買では、販売店を通さずに車を購入できる一方で、名義変更などの手続きを誰が進めるのか、迷うことがあります。
「買主が自分で手続きするもの?」
「売主が名義変更まで済ませてから引き渡すべき?」
「相手に任せて、きちんと手続きしてもらえるだろうか」
こうした疑問に対して、まず知っておきたいのは、法律上の義務、実際の手続きの進め方、売主と買主の間で決めることは、それぞれ別の問題だということです。
法律上、名義変更の申請義務を負うのは買主です
普通車などの登録自動車について、所有者が変わった場合、道路運送車両法第13条では、新しい所有者が、所有者の変更があった日から15日以内に移転登録を申請しなければならないと定められています。
つまり、法律上の申請義務を負うのは、原則として車を譲り受けた買主です。
売主と買主の間で「名義変更は売主が行う」と決めることはできます。しかし、その合意だけで、法律上買主に課されている申請義務そのものが当然に売主へ移るわけではありません。
この点は、個人売買を始める前に知っておきたいところです。
実務では、売主が手続きを進めることもあります
法律上の申請義務は買主にありますが、実際の個人売買では、売主が名義変更の手続きを進めるケースもあります。
たとえば、売主が車検証などの必要書類を準備し、買主から必要な情報や書類を受け取って、名義変更まで済ませてから車を引き渡す方法です。
この方法であれば、買主にとっては手続きの負担が軽くなり、売主にとっても、名義変更が終わらないまま車だけを引き渡すリスクを抑えやすくなります。
一方で、売主が手続きを進める場合でも、買主側の書類や情報が必要になることがあります。売主だけで、すべての手続きを完結できるとは限りません。
また、買主が自分で手続きをする場合には、売主から必要書類を受け取り、期限内に申請を進める必要があります。
法律上の義務が誰にあるかと、実際に誰が手続きを担当するかは、同じとは限らないのです。
個人売買における売主と買主の役割については、「自動車の個人売買|手続きで売主がすること・買主がすること」でも取り上げています。

売主と買主のどちらが手続きするかは、契約で決められます
個人売買では、名義変更の手続きを誰が担当するか、費用を誰が負担するかなどを、売主と買主の間で取り決めることができます。
たとえば、次のような決め方が考えられます。
- 買主が名義変更を行い、売主は必要書類を準備する
- 売主が名義変更を進め、登録完了後に車を引き渡す
- 行政書士などの専門家に手続きを依頼し、その費用の負担者も決めておく
どの方法が適しているかは、売買の条件や当事者の事情によって異なります。
大切なのは、単に「名義変更は買主がやる」「売主がやる」と決めるだけでなく、いつまでに、誰が、何を行い、相手は何に協力するのかを具体的にしておくことです。
口頭で決めたり、メッセージで簡単にやり取りしたりするだけでは、後になって認識の違いが生じることもあります。
そのため、売買契約書などの書面に、名義変更の期限、必要書類の受け渡し、費用負担、車両の引き渡し時期などを整理しておくと、トラブルの予防につながります。
ただし、契約書を作成すれば、どのような問題も防げるわけではありません。実際の取引内容に合った条件を定めることが重要です。
名義変更を相手に任せきりにするのは避けましょう
個人売買で気をつけたいのは、名義変更を相手に任せたまま、手続きが終わったかどうかを把握できなくなることです。
たとえば、買主が名義変更を行う約束で車を引き渡したものの、買主が手続きを進めず、車検証上の名義が売主のまま残ってしまうケースが考えられます。
売主と買主の間で約束をしていても、相手が必ずそのとおりに動くとは限りません。
そのため、契約段階で期限を決めるだけでなく、名義変更が完了したことをどのように確認するか、期限までに手続きができなかった場合にどう対応するかも、あらかじめ考えておくことが大切です。
また、名義変更をした後に元の状態へ戻したいと思っても、単純に以前の登録を取り消せば済むとは限りません。事情によっては、改めて登録手続きが必要になります。
こうした点については、「一度、名義変更した自動車・バイクの登録は取り消せる?元の名義に戻す方法と注意点」でも触れています。

手続きに不安があるときは、行政書士に相談する方法もあります
自動車の個人売買では、売主と買主のどちらが手続きを担当する場合でも、必要書類の準備や申請方法などを整理しなければなりません。
さらに、売買契約の内容、車両の引き渡し、代金の支払い、名義変更の時期など、手続き以外にも決めておきたいことがあります。
こうした点を自分たちだけで整理するのが難しい場合は、行政書士などの専門家に相談する方法があります。
行政書士は、依頼内容や資格上の業務範囲に応じて、自動車の登録手続きに必要な書類の作成や申請手続きなどをお手伝いできます。また、売買契約書の作成についても、依頼内容に応じて対応できる場合があります。
ただし、売買代金の回収や相手方との紛争解決まで、行政書士がすべて担えるわけではありません。すでにトラブルが生じている場合には、弁護士への相談が適切なこともあります。
誰が手続きをするか決められない、必要書類が分からない、名義変更を確実に進めたい。そんなときは、困った段階で専門家に相談することも選択肢の一つです。
当事務所がお手伝いできること
めのほし行政書士事務所では、名古屋ナンバーの自動車・バイクに関する手続きをお手伝いしています。
- 個人売買に伴う名義変更
売主・買主それぞれの状況に応じて、必要書類の作成や運輸支局での登録手続きをお手伝いします。 - 自動車売買契約書の作成
売買代金や車両の引き渡し時期、名義変更の担当者、費用負担など、当事者間で決めた内容を書面にまとめるお手伝いをします。 - 住所変更・車庫証明・ナンバープレート交換に関する手続き
引っ越しや使用場所の変更などに伴う手続きについて、必要書類の作成や申請手続きをお手伝いします。
自動車の個人売買では、名義変更だけでなく、売主と買主の役割や手続きの時期を決めておくことも大切です。
「誰が手続きを進めればよいのか分からない」「必要な書類を整理したい」など、お困りの際は、行政書士への相談もご検討ください。
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