成年後見制度を利用する前に、自動車の名義変更はできる?判断能力が低下する前に知っておきたいこと

法律や制度に関すること

親が高齢になってくると、将来の財産管理について考える機会が増えてきます。

「もし認知症になったら、親の預貯金や自動車はどうなるのだろう」

「成年後見制度を利用すると、家族が自由に財産を管理できなくなるのではないか」

「知らない人が後見人に選ばれたり、財産を使い込まれたりしないだろうか」

「専門家に相談したくても、敷居が高く感じる」

このような不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで考えたいのが、本人が自分で判断できるうちに、将来の財産管理について準備しておくことです。

今回は、成年後見制度に不安を感じている方に向けて、制度の注意点や相談先、自動車の名義変更を早めに検討する際の注意点をご紹介します。

成年後見制度を利用したくないと考える理由

成年後見制度は、認知症などによって判断能力が十分でなくなった方を法律的に支援するための制度です。

本人の財産を守り、必要な契約や財産管理を支援する役割があります。

一方で、制度の利用に不安を感じる方がいるのも事実です。

例えば、次のような心配があります。

  • 家族ではなく、第三者が後見人に選ばれることがある。
  • 本人の財産は本人の利益を守るために管理されるため、家族の希望どおりに使えるとは限らない。
  • 後見人への報酬が発生する場合がある。
  • 一度制度を利用すると、必要な手続きが終わったからといって、自由に利用をやめられるわけではない。

成年後見制度では、家庭裁判所が本人の事情などを踏まえて後見人を選任します。親族が後見人になるとは限らず、制度の利用が長期間にわたることもあります。

こうした点を知り、利用することに抵抗を感じる方もいるでしょう。

ただし、成年後見制度には本人を保護する目的があり、後見人による不正を防ぐための監督の仕組みも設けられています。

制度の問題点だけでなく、本人を守るための仕組みも理解したうえで、将来に備えることが大切です。

成年後見人に財産を使い込まれることはある?

成年後見制度について調べていると、後見人による横領などの不正事例を目にすることがあります。

本人の財産を管理する立場にある人が、その財産を不正に使ってしまうことは、決してあってはならないことです。

家庭裁判所も、後見人等による財産管理や監督に関する仕組みを設けています。

一方で、不正事例があるからといって、すべての後見人が信用できないというわけではありません。

後見人には本人の利益を守る義務があり、財産の管理状況について家庭裁判所への報告などが求められます。

大切なのは、制度に不安があるからといって、必要な対策を何もしないことではありません。

本人が自分で判断できるうちに、財産の管理や将来の生活について家族で話し合っておくことも、一つの備えになります。

弁護士などの専門家に相談することに抵抗がある方へ

成年後見制度について調べていても、

「弁護士や司法書士などの専門家に相談するのは敷居が高い」

「難しい言葉で説明されたら、理解できるか不安」

「厳しい対応をされたらどうしよう」

「できれば、身近なところで相談したい」

と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

そのような場合には、最初から制度の利用を決めるのではなく、まずは身近な相談窓口で話を聞いてみる方法もあります。

例えば、お住まいの市区町村の高齢者福祉に関する窓口や、地域包括支援センター、社会福祉協議会などです。

成年後見制度についての相談や利用支援に取り組んでいるところもあります。

制度について知ることと、実際に制度を利用することは別です。

まずは自分や家族にどのような選択肢があるのか、情報を集めることから始めてもよいでしょう。

成年後見人には法人もなれる

成年後見人というと、弁護士や司法書士などの専門家、あるいは親族などの個人を思い浮かべる方も多いかもしれません。

しかし、成年後見人には法人が選任される場合もあります。

例えば、社会福祉協議会など、地域の福祉に関わる団体が、成年後見制度に関する相談や利用支援、法人としての後見活動に取り組んでいる場合があります。

法人が後見人となる場合には、組織として複数の担当者が関わり、担当者が交代しても業務を引き継ぎやすいという特徴があります。

個人だけでなく、法人という選択肢もあることは、制度について考えるうえで知っておきたい点です。

ただし、すべての社会福祉協議会が成年後見人を引き受けているわけではありません。また、法人が後見人になることを希望しても、必ず選任されるとは限りません。

実際に誰が後見人になるかは、家庭裁判所が本人の事情などを踏まえて判断します。

また、法人であれば不正が絶対に起こらないというわけでもありません。個人か法人かという違いだけでなく、財産管理の体制や監督の仕組みも重要です。

成年後見制度に不安がある場合には、まずは地域の相談窓口などで制度の仕組みや相談先について話を聞いてみるのも一つの方法です。

判断能力が低下する前に、自動車の名義変更を考える

成年後見制度への不安がある方にとって、身近な財産の一つが自動車ではないでしょうか。

例えば、親が所有する自動車を、今後は子どもが使う予定だとします。

「いずれ親が運転しなくなるなら、今のうちに子どもの名義にしておいたほうがよいのではないか」

このように考えることもあると思います。

自動車の名義変更は、本人が自分で判断できるうちに、将来の使用予定や財産管理について考えるきっかけになります。

ただし、成年後見制度を避ける目的だけで、急いで名義変更をすればよいというものではありません。

親から子どもへ自動車の名義を変更する場合、実際にどのような理由で譲るのかによって、売買や贈与などの問題が生じることがあります。

また、自動車は名義を変えればすべて終わりというわけではありません。自動車税、保険、維持費、今後の使用方法などについても考えておく必要があります。

本人が自分で判断できる状態であることを前提に、本人の意思を大切にしながら、名義変更が本当に適切なのかを検討しましょう。

すでに判断能力が低下している場合は注意が必要

ここで、特に注意したいことがあります。

親の判断能力がすでに低下している場合、家族が「将来のためだから」と考えて、自動車の名義を変更することは慎重に考えなければなりません。

名義変更には、所有者本人の意思や、手続きに必要な書類などが関係します。

本人が名義変更の意味を理解して判断できるかどうかが問題になる場合、家族だけの判断で手続きを進めることは適切ではありません。

また、成年後見人が選任された後は、本人の財産をどのように扱うかについて、本人の利益を守るという観点が重要になります。

自動車を家族に譲ることが、本人にとって不利益となる場合もあるためです。

判断能力に不安がある場合には、無理に名義変更を進めず、状況に応じて専門家などに相談することをおすすめします。

成年後見制度を利用しないために、自動車の名義を変えればよい?

自動車の名義変更を早めに行うことが適切な場合はあります。

しかし、名義変更をしたからといって、将来、成年後見制度が必要になる可能性がなくなるわけではありません。

例えば、預貯金や不動産など、ほかの財産の管理が必要になることもあります。また、本人の生活や介護に関する契約などで支援が必要になる場合もあります。

そのため、自動車の名義変更は、将来の財産管理について考える一つの方法として捉えることが大切です。

「成年後見制度を利用したくないから、今のうちにすべての財産を家族名義にしておこう」といった考え方ではなく、本人の意思や生活、財産全体を踏まえて準備しておきましょう。

ゆめのほし行政書士事務所では、名古屋ナンバーの自動車・バイクに関する各種手続きをお手伝いしています。

  • 親から子どもへ自動車の名義を変更したい。
  • 自動車の相続に備えて、必要な手続きを知りたい。
  • 自動車の名義変更に必要な書類や手続きについて相談したい。
  • 相続や贈与など、自動車の名義変更に関係する手続きを整理したい。

自動車の名義変更は、車検証の名義を書き換えるだけでなく、その背景にある事情によって必要な手続きが異なることがあります。

なお、成年後見制度を利用するかどうかの判断や、本人の判断能力、贈与・相続に関する法律上の問題などについては、内容に応じて弁護士や司法書士などの専門家への相談が必要になる場合があります。

当事務所では、自動車・バイクの手続きについて、できるだけ難しい言葉を使わず、落ち着いてお手伝いすることを大切にしています。