自動車を個人売買するときは、売主と買主の間で、車の引き渡しや名義変更などの手続きを進める必要があります。
「売主はどこまで手続きをすればよいの?」
「譲渡証明書は誰が作成するの?」
「買主の車庫証明や名義変更の書類も、売主が用意する必要があるの?」
このような疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
自動車の個人売買では、売主と買主がそれぞれ行うことを整理しておくと、手続きの行き違いやトラブルを防ぎやすくなります。
今回は、自動車を個人売買するときに、売主がすること、買主がすること、書類作成で気を付けたい点について説明します。
自動車の個人売買では、売主と買主の役割を決めておきましょう
自動車を個人売買するときは、売主と買主の間で、売買条件や手続きの進め方を決めておくことが大切です。
例えば、次のような点を話し合っておくとよいでしょう。
- 売買代金と支払日
- 自動車を引き渡す日
- 名義変更を行う人と期限
- 名義変更に必要な書類を準備する人
- 車庫証明などの手続きにかかる費用の負担
- 名義変更が期限までに完了しなかった場合の対応
個人売買では、名義変更を買主が行うことも多くあります。ただし、売主と買主のどちらが何をするのかを曖昧にしていると、必要書類がそろわなかったり、名義変更が遅れたりするおそれがあります。
売買契約を結ぶ際に、手続きの担当や期限についても取り決めておきましょう。
また、売買契約を結んでから車を引き渡すまでに、台風や洪水などの災害で車が壊れてしまうことも考えられます。
自動車の個人売買で、引き渡し前に車が壊れた場合の代金支払いや契約解除については、こちらの記事で紹介しています。

売主がすること
1.譲渡証明書を作成する
譲渡証明書は、自動車を譲り渡した事実を証明するための書類です。名義変更の手続きで必要となるため、売主は譲渡の事実に基づいて作成することが基本です。
譲渡年月日や譲渡人などの記載内容は、実際の取引に合ったものでなければなりません。
名義変更を早く進めるためなどの理由で、実際の取引と異なる日付を記載することは避けましょう。
また、他人名義の書類を権限なく作成するなど、書類の作成方法によっては法的な問題が生じる可能性もあります。
2.売主側で必要な書類を準備する
普通車の名義変更では、譲渡証明書のほか、状況に応じて印鑑登録証明書や委任状などが必要になります。
売主の住所や氏名が車検証の記載と異なる場合には、住所や氏名の変更の経緯を示す書類が必要となることもあります。
必要な書類は、車検証の内容や取引の状況によって異なります。買主が名義変更を行う場合でも、売主側で準備する書類を早めに用意しておくことが大切です。
3.買主と名義変更の予定を話し合う
車を引き渡した後、買主が名義変更を行う場合には、いつまでに手続きを進めるのかを決めておきましょう。
普通車の移転登録は、原則として所有者が変わった事由があった日から15日以内に申請する必要があります。
売主は車を引き渡しただけで安心せず、買主と必要書類や手続きの予定について話し合っておくと、行き違いを防ぎやすくなります。
買主がすること
1.車庫証明が必要な場合は申請する
普通車を購入し、使用の本拠の位置や保管場所などの条件から車庫証明が必要となる場合には、買主側で保管場所の要件を満たし、必要な申請を進めます。
車庫証明の申請には、保管場所の位置や駐車場の使用権原などに関する書類が必要です。
2.名義変更の手続きを進める
自動車を譲り受けた買主は、必要書類をそろえて移転登録を申請します。
普通車の名義変更では、車検証、譲渡証明書、印鑑登録証明書、委任状など、取引の状況に応じた書類が必要になります。
書類がそろわないまま手続きを先延ばしにすると、期限を過ぎてしまうおそれがあります。売主から受け取る書類と、買主自身が用意する書類を整理して、早めに準備しましょう。
3.費用や税金の負担を取り決めに沿って進める
名義変更に必要な費用や、売買に伴う税金の扱いについても、事前に話し合っておくことが大切です。
自動車税(種別割)は、原則として毎年4月1日現在の所有者に課税されます。年度の途中で売買した場合、売主と買主の間で税金相当額を精算することはできますが、その合意によって法律上の納税義務者が変わるわけではありません。
売買契約の際に、費用や税金をどのように負担するのか決めておくと、後からのトラブルを防ぎやすくなります。
買主の車庫証明や登録書類を売主が作成してもよいのでしょうか?
個人売買では、売主が買主のために書類を用意しようと考えることもあるかもしれません。しかし、売主自身が用意する書類と、買主の依頼を受けて官公署に提出する書類を作成することは、区別して考える必要があります。
行政書士法では、行政書士または行政書士法人でない者が、他人の依頼を受け、いかなる名目によるかを問わず報酬を得て、行政書士の業務に当たる書類作成などを業として行うことを制限しています。
2026年1月1日に施行された改正行政書士法では、この規定に「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言が加えられ、報酬の名目を問わないことが明確になりました。
そのため、車庫証明の申請書や自動車の登録申請書などを、他人の依頼を受けて報酬を得て業として作成する場合には、行政書士法との関係に注意が必要です。
一方で、売主が自分の立場で譲渡証明書などの書類を作成することと、買主のために申請書類を作成することは、同じものではありません。具体的な状況によって判断が異なるため、書類作成の範囲に迷う場合は、行政書士に相談する方法もあります。
個人売買でも、手続きの進め方を決めておくことが大切です
自動車の個人売買では、売主と買主の間で、書類の準備や名義変更の時期について認識が異なることがあります。
後から行き違いが起きないよう、売買契約の段階で、次の点を話し合っておくと安心です。
- 売主と買主のどちらが名義変更を行うか
- それぞれが用意する書類は何か
- 名義変更をいつまでに行うか
- 手続きにかかる費用を誰が負担するか
自動車の種類や登録状況によって必要な手続きは異なります。事前に役割分担を決め、必要な書類をそろえて進めましょう。
当事務所がお手伝いできること
めのほし行政書士事務所では、名古屋ナンバー管轄の自動車・バイク手続きについて、次のようなお手伝いをしています。
- 自動車の名義変更
個人売買や譲渡などに伴う、普通車・軽自動車の名義変更手続き - 車庫証明の申請
普通車の名義変更などに伴う、車庫証明の申請手続き - バイクの名義変更
原付・軽二輪・小型二輪の名義変更など - ナンバープレートの交換・封印
名義変更や住所変更などに伴う、ナンバープレートの交換と封印の手続き
自動車の個人売買では、売主と買主がそれぞれ用意する書類や、名義変更を行う時期を整理しておくことが大切です。手続きの内容に応じて、必要な書類の作成や申請をお手伝いします。
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