委任状があれば家族は何でもできる?車庫証明書の注意点

法律や制度

車庫証明の手続きをするとき、

「家族の車だから、代わりに申請しても大丈夫だろう」
「委任状を書いてもらえば、家族が手続きを進められるはず」

このように考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

家族のために手続きを手伝いたいと思っていても、委任状があれば、必ず家族が代理申請できるとは限りません。

車庫証明は、駐車場所や自動車の使用者などに関係する公的な手続きです。申請する人が誰なのか、本人の意思に基づく申請なのかという点も大切になります。

特に名古屋市内で車庫証明の手続きをする場合は、家族による代理申請が認められない警察署も多いため、注意が必要です。

委任状があれば、何でもできるわけではありません

委任状は、本人が別の人に一定の手続きを任せる意思を示すための書類です。

しかし、委任状があれば、どのような手続きでも自由に進められるわけではありません。

例えば、次のような点には注意が必要です。

  • 本人が手続きを任せる意思を持っているか
  • 代理人が本人から任された範囲内で手続きを進めているか
  • 申請書に記載する内容が事実に基づいているか
  • 申請先の警察署が求める手続きや書類に対応できるか

本人の了承を得ているつもりでも、本人の意思や代理権限が適切に確認できなければ、手続きが受け付けられないことがあります。

大切なのは、単に委任状を用意することではなく、誰が申請し、誰が書類を作成し、どのような権限に基づいて手続きを進めるのかを明確にすることです。

なりすまし申請が問題になる理由

車庫証明の申請では、申請者や自動車の使用の本拠、保管場所などについて、事実に基づいた内容を届け出る必要があります。

もし、本人の意思を確かめないまま第三者が本人になりすまして申請したり、実際とは異なる内容を記載したりすれば、問題になるおそれがあります。

例えば、次のような行為です。

  • 本人に無断で本人名義の申請を進める
  • 本人が申請したように装って書類を提出する
  • 実際には契約していない駐車場を保管場所として届け出る
  • 駐車場の使用承諾書などを、権限なく作成したり偽造したりする

もちろん、家族が本人から適切に依頼を受けて手続きを手伝うことと、本人になりすまして申請することは別の問題です。

しかし、外から見ただけでは、本人の依頼に基づく手続きなのか、本人の意思を伴わない申請なのかが分かりにくい場合もあります。

そのため、公的な手続きでは、申請者本人の意思や代理人の権限を明確にすることが重要になります。

虚偽の申請や書類の偽造などは、その具体的な行為によって法的責任が問われる可能性があります。「家族のためにしたことだから問題ない」とは限りません。

改正行政書士法と、書類作成のルール

令和8年(2026年)1月1日、改正行政書士法が施行されました。

今回の改正では、行政書士または行政書士法人でない者が、他人の依頼を受け、名目を問わず報酬を得て、業として官公署に提出する書類などを作成することについて、規制の趣旨が明確化されました。

この改正は、報酬の名目を変えることで規制を免れるような行為を防ぐことなどを目的としたものです。

また、公的な手続きにおいては、本人の意思に基づかない申請や、権限のない者による書類作成・提出が問題となります。なりすましを防ぎ、誰が責任を持って書類を作成しているのかを明確にするという観点からも、申請手続きの適正さが大切です。

ただし、改正行政書士法によって、家族が自分の家族の手続きを手伝うことが一律に禁止されたわけではありません。

本人が自分で申請書を作成することや、適切な範囲で家族が手続きを手伝うことまで、すべて禁止されるわけではありません。一方で、他人の依頼を受けて報酬を得ながら、業として官公署に提出する書類を作成する場合には、行政書士法の規制に注意する必要があります。

家族だから何でもできる、あるいは委任状さえあれば問題ないと考えるのではなく、実際の手続きと書類作成のルールに沿って進めることが大切です。

名古屋では、家族による代理申請に注意が必要です

車庫証明の申請について、名古屋市内の警察署では、家族による代理申請が認められない運用をしているところも多くあります。

そのため、家族の車だからといって、委任状を用意すれば必ず家族が申請できると考えて手続きを進めるのは避けたほうがよいでしょう。

愛知県警察のウェブサイトでも、車庫証明の基本的な手続きが案内されていますが、個別の申請で追加の書類などが必要になる場合には、申請先の警察署交通課に問い合わせるよう案内されています。

申請先の運用や必要書類によっては、予定していた方法では手続きを進められないこともあります。

家族が手続きを進めようと考えている場合は、事前に申請先の警察署へ問い合わせるか、行政書士へ依頼する方法も検討するとよいでしょう。

ゆめのほし行政書士事務所では、名古屋市内の車庫証明について、申請書類の作成から警察署への申請・受け取りまでお手伝いしています。

  • 車庫証明の申請書類の作成
  • 所在図・配置図の作成
  • 駐車場の使用権原に関する必要書類の整理
  • 警察署への申請・受け取り
  • 家族が関わる手続きで、どのように進めればよいか迷っている方へのご案内

「家族の車の手続きを手伝いたい」
「本人が忙しく、手続きを進める時間が取れない」
「委任状が必要なのか、どのような書類を用意すればよいのか分からない」

このようなお悩みがある場合も、状況に応じて必要な手続きを進めるお手伝いをしています。

手続きを急ぐあまり、必要な手順を省略したり、実際と異なる内容で申請したりすることのないよう、適切な方法で進めることが大切です。