車庫証明の使用承諾書、駐車場の持ち主から頼まれたら自分で書いてもいい?【名古屋】

車庫証明書

車庫証明を申請するとき、駐車場の持ち主から「使用承諾書を書いておいて」と頼まれたら、どうすればよいのでしょうか。

「持ち主から頼まれたのだから、自分で記入しても大丈夫だろう」

「本人の了承があるなら、家族や知人が代わりに書いても問題ないのでは?」

「自動車の手続きをする第三者が、書類をまとめて作成してもよいのでは?」

このように考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、車庫証明に添付する保管場所使用承諾証明書は、駐車場を使用する申請者が自由に作成してよい書類ではありません。

駐車場の使用を承諾する権利者が、承諾の意思を示すための書類だからです。

この記事では、使用承諾書を誰が作成するのか、自認書との違いや、第三者が記入した場合の注意点についてお伝えします。

持ち主から頼まれても、自分で使用承諾書を書いてはいけない?

例えば、月極駐車場を借りていて、車庫証明の申請に使用承諾書が必要になったとします。

駐車場の持ち主に連絡すると、「使用を認めているから、書類を作っておいて」と言われました。

この場合、自分で使用承諾書を作成してもよいのでしょうか。

答えは、持ち主から頼まれたという理由だけで、申請者本人が使用承諾書を作成してよいことにはなりません。

使用承諾書は、駐車場の所有者など、正当な承諾権者が使用を認めたことを証明する書類です。

愛知県警察が公開している記載例でも、正当な承諾権者の記名または署名が必要であり、書面の訂正には承諾者による訂正が必要とされています。

そのため、駐車場の持ち主から口頭で頼まれたとしても、申請者本人が自分で書類を作成するのではなく、承諾する権利者に作成してもらうことが基本です。

「持ち主が了承しているから大丈夫」と自己判断せず、誰が作成すべき書類なのかを理解しておきましょう。

家族や知人など、第三者が代わりに記入してもよい?

車庫証明の手続きを進める際、家族や知人などの第三者が書類をまとめることもあるでしょう。

しかし、第三者が手続きを手伝う場合でも、使用承諾書を自由に作成できるわけではありません。

たとえ駐車場の権利者から使用の了承を得ていたとしても、それだけで第三者が権利者に代わって使用承諾書を作成できることにはなりません。

使用承諾書は、単に駐車場を使ってよいという情報を記入するだけの書類ではありません。誰が使用を承諾したのかを示す、大切な書類です。

権利者の意思に基づいて作成されていることが重要であり、申請者本人や第三者が権利者に代わって自由に作成・訂正してよいものではありません。

自認書なら、申請者本人が作成しても大丈夫

使用承諾書と混同しやすい書類に「保管場所使用権原疎明書面(自認書)」があります。

どちらも車庫証明の申請で保管場所を使用する権原を示すための書類ですが、使用する場面が異なります。

  • 使用承諾書:他人が所有する土地や駐車場などについて、権利者が使用を承諾したことを示す書類
  • 自認書:申請者が自分の所有する土地や建物を保管場所として使用する場合に、自分で作成する書類

愛知県警察も、保管場所が自己所有の場合は自認書、他人所有の場合は使用承諾証明書を、保管場所の使用権原を示す書類として案内しています。

つまり、自分が所有する土地を自動車の保管場所として使用する場合は、申請者本人が自認書を作成できます。

一方、他人が所有する駐車場を使用する場合は、使用承諾書など、保管場所を使用できる権原を示す書類が必要になります。

自認書は自分の権利を示す書類ですが、使用承諾書は権利者が他人の使用を承諾したことを示す書類です。

この違いを押さえておくと、どちらの書類を用意すべきか迷いにくくなります。

行政書士なら、使用承諾書を作成・訂正できる?

それでは、行政書士に車庫証明の手続きを依頼した場合はどうでしょうか。

行政書士が使用承諾書の作成や訂正を行う場合も、権利者の意思や委任の有無を問わず、自由に作成・訂正できるわけではありません。

権利者から適切な委任を受けたうえで、所定の委任状付き使用承諾書など、認められた書式・手続きに沿って対応することにより作成することができます。

一般の申請者や第三者が、単に権利者から「書いておいて」と頼まれただけで作成することと、行政書士が適切な委任を受けて所定の方法で作成・訂正することは、同じではありません。

勝手に作成すると、私文書偽造などの問題になることも

使用承諾書を、権限のない人が権利者本人の書類であるかのように作成した場合、具体的な行為によっては私文書偽造などの罪に問われる可能性があります。

例えば、権利者の署名を無断で記入したり、権利者が作成したように装って書類を作ったりする行為には注意が必要です。

「持ち主は了承しているはずだった」
「車庫証明の手続きを早く進めたかった」
「本人から頼まれたと思っていた」

このような事情があっても、必ず問題にならないとは限りません。法的な評価は、作成した書類の内容や権限、実際の経緯などによって異なります。

車庫証明は、実際の保管場所と使用権原に基づいて申請するものです。書類を整えるために、権限のない人が権利者に代わって作成することは避けましょう。

改正行政書士法で、第三者による書類作成にも注意が必要です

令和8年(2026年)1月1日に、改正行政書士法が施行されました。

今回の改正では、行政書士または行政書士法人でない者が、他人の依頼を受け、名目を問わず報酬を得て、業として官公署に提出する書類などを作成することについて、規制の趣旨が明確化されました。

例えば、報酬を「書類作成料」ではなく、別の名目にしていても、それだけで規制の対象外になるわけではありません。

車庫証明でも、申請書や添付書類を誰が作成するのか、どのような権限に基づいて作成するのかが重要になります。

また、なりすまし申請や、実際の使用状況と異なる内容を届け出るような不正を防ぐためにも、本人の意思や書類の作成者を明確にすることが大切です。

ただし、改正行政書士法によって使用承諾書の作成方法そのものが新たに定められたわけではありません。使用承諾書については、承諾する権利者の意思に基づいて作成するという基本を押さえたうえで、行政書士法の規制にも注意して手続きを進めましょう。

ゆめのほし行政書士事務所では、名古屋ナンバー管轄の車庫証明手続きをお手伝いしています。

  • 車庫証明の申請手続き
    申請に必要な書類の作成から、警察署への申請までお手伝いします。
  • 所在図・配置図の作成
    駐車場の位置や出入口、保管場所の配置など、申請に必要な図面を作成します。
  • 保管場所の使用権原に関する書類の準備
    自認書や使用承諾書など、保管場所を使用できる権原を示す書類について、適切な手続きで申請を進められるようお手伝いします。

車庫証明は、書類の記入方法だけでなく、誰が作成する書類なのかも大切です。

申請者本人や第三者が使用承諾書を作成してよいのか迷ったときは、自己判断で進めず、適切な方法で手続きを行いましょう。