自動車やバイクを個人で売買するとき、
- 古物商許可は必要なのか
- 何台までなら許可なしで売れるのか
- 知人の車やバイクを代わりに売ってもよいのか
- 買い取った車両を転売すると、何か問題があるのか
このような疑問を持つ方もいらっしゃると思います。
自分が乗っていた車を売る場合と、他人から車両を買い取って販売する場合では、古物営業法上の扱いが異なります。
また、自分では個人売買のつもりでも、実際に行っていることによっては、古物商許可が必要になる場合があります。
大切なのは、売買の回数だけで判断しないことです。
自動車やバイクを誰から取得し、どのような目的で、どのように販売しているのか。
今回は、古物商許可が必要になる場合と、許可が不要な場合の違いを整理します。
自分が乗っていた車やバイクを売るだけなら、原則として許可は不要です
まず、自分が所有し、使用していた自動車やバイクを売却する場合です。
例えば、次のようなケースです。
- 新しい車に買い替えるため、今まで乗っていた車を売る
- バイクに乗らなくなったので、個人売買で売却する
- 家族が使用していた車を整理するために売る
- 相続した車を、必要な手続きをしたうえで売却する
このように、自分の物を売却するだけであれば、通常、古物商許可は必要ありません。
古物営業法では、古物を買い取って販売する営業などが規制の対象になります。一方、自分で使用していた物や、自分で使用するために購入したものの未使用だった物を売却する場合は、原則として許可を必要としません。
ただし、最初から転売する目的で車両を購入していた場合は、話が変わります。
例えば、「自分で乗るために買った」と説明していても、実際には転売目的で購入し、販売を繰り返しているのであれば、単なる自家用車の売却とはいえない可能性があります。
重要なのは、売却するときに個人名義になっているかどうかだけではなく、取得した目的や実際の取引内容です。
古物商許可は何台から必要になるのでしょうか
「年間に何台までなら、許可なしで売れるのか」
この点が気になる方も多いと思います。
しかし、古物商許可について、自動車を年間何台売ったら必ず許可が必要になる、という一律の台数基準はありません。
例えば、自分が長年使用していた車を売る場合と、転売する目的で車を仕入れて販売する場合とでは、取引の性質が異なります。
1台の売買であっても、その実態によっては許可が必要な営業に該当する可能性があります。
反対に、自分が使用していた車を売却したという理由だけで、直ちに古物商許可が必要になるわけではありません。
判断するときは、次のような点が重要になります。
- 車両を取得した目的は何か
- 自分で使用していた車両なのか、転売目的で取得したのか
- 他人から買い取って販売しているのか
- 売買や委託販売を営業として行っているのか
- 取引の実態が継続的な販売活動になっているのか
売買の回数だけで判断するのではなく、実際の取引内容を整理することが大切です。
中古車や中古バイクを買い取って転売する場合は注意が必要です
古物商許可が必要になる代表的なケースが、中古の車両を買い取り、それを販売する営業です。
例えば、次のような場合です。
- 個人から中古車を買い取り、別の人に販売する
- 中古バイクを仕入れて、利益を上乗せして販売する
- 車両を買い取り、修理などをして販売する
- 買い取った車両を分解し、部品を販売する
このような取引を営業として行う場合は、原則として古物商許可が必要です。
ここでいう古物には、一度使用された物だけでなく、使用するために取引されたものの未使用品なども含まれます。
そのため、「まだ新しい車だから」「走行距離が少ないバイクだから」という理由だけで、古物営業法の対象外になるわけではありません。
また、車両本体だけでなく、自動車の部品や自動二輪車・原動機付自転車の部品も、古物の区分に含まれます。
車両本体を販売する場合だけでなく、部品の売買を行う場合にも注意が必要です。
知人の車やバイクを代わりに売る場合も注意が必要です
判断が難しくなりやすいのが、知人や親族の車両を代わりに販売する場合です。
例えば、次のようなケースです。
- 知人から頼まれて、代わりに中古車を販売する
- バイクを預かり、購入希望者を探して販売する
- 売却が成立したら、販売手数料を受け取る
- 複数の人から車両を預かり、継続的に販売する
「自分で買い取ったわけではないから、許可は必要ないだろう」と考える方もいるかもしれません。
しかし、古物営業法では、古物を買い取る場合だけでなく、他人から販売を依頼され、売却後に手数料を受け取る委託販売も、許可が必要になる営業に含まれます。
つまり、車両を自分の名義に変更していないことや、買い取り代金を支払っていないことだけで、許可が不要になるわけではありません。
もちろん、知人の車を一度手伝って売ったという事情だけで、直ちに許可が必要だと決まるわけでもありません。
実際にどのような役割を担っているのか、報酬を受け取っているのか、営業として行っているのかなど、具体的な事情を踏まえて判断する必要があります。
「手数料だけだから大丈夫」とは限りません
他人の車両を販売する場合、受け取るお金の名目にも注意が必要です。
例えば、
- 車両を売ってくれたお礼としてお金を受け取る
- 販売が成立したときだけ手数料を受け取る
- 車両の引き取りや販売の手間賃を受け取る
- 車両を買い取らず、売主と買主の間に入って販売を継続する
このようなケースでは、単に「手数料」「謝礼」「手間賃」と呼んでいるだけでは、古物商許可が不要になるとは限りません。
特に、他人から販売を依頼され、売却後に手数料を受け取る形で営業している場合は注意が必要です。
一方、車両の運搬など、販売とは別の作業に対する費用を受け取った場合については、具体的な業務内容によって判断が異なります。
名称だけで決めつけず、実際に何を引き受け、どのような対価を受け取っているのかを整理しましょう。
名義変更をしないまま販売している場合は、別の問題にも注意が必要です
自動車やバイクの売買では、名義変更をしないまま次の人に車両を渡すケースもあります。
例えば、Aさんが車両を取得し、自分への名義変更を行わないまま、Bさんに販売するような場合です。
このような取引では、古物商許可の問題だけでなく、登録手続きについても注意が必要です。
ただし、名義変更をしていないという事実だけで、直ちに古物商許可が必要だと決まるわけではありません。
古物商許可が必要かどうかは、車両の取得や販売の目的、取引の実態などから判断します。
一方、名義変更が済んでいなければ、登録上の所有者と実際の使用者が異なる状態が続くことがあります。税金や通知の問題、次の名義変更に必要な書類の準備などにも影響する可能性があります。
個人売買では、古物営業法上の問題と、車両の登録手続きの問題を分けて考えることが大切です。
古物商許可が必要か迷ったら、取引の実態を整理しましょう
自動車やバイクの売買では、本人が「個人売買のつもり」であっても、実際の取引内容によって判断が変わることがあります。
特に、次のような場合は注意が必要です。
- 自分が使用する目的ではなく、転売する目的で車両を取得している
- 他人から車両を買い取り、継続して販売している
- 他人の車両を預かり、販売後に手数料を受け取っている
- 車両の売買を繰り返し、実態として販売活動を行っている
こうした場合は、売買の回数だけで判断せず、取引の目的や実際の関わり方を整理することが大切です。
古物商許可が必要かどうかについて具体的な判断を求める場合は、営業内容を整理したうえで、管轄の警察署の生活安全課などに相談するとよいでしょう。
許可が必要な営業を始めるのであれば、原則として営業を開始する前に許可を受ける必要があります。
当事務所がお手伝いできること
ゆめのほし行政書士事務所では、名古屋ナンバーの自動車・バイクについて、名義変更などの登録手続きを取り扱っています。
例えば、次のような手続きです。
- 自動車の個人売買に伴う名義変更
- 軽自動車の名義変更
- 原付・軽二輪・小型二輪の名義変更
- 譲渡や相続などに伴う登録手続き
自動車やバイクを売買するときは、売買契約だけでなく、その後の登録手続きも適切に進めることが大切です。
古物商許可が必要かどうかは、車両の取得方法や販売の実態などによって判断が異なります。許可の要否に迷う場合は、取引内容を整理し、管轄の警察署などで確認したうえで進めましょう。
車両を売ることと、古物を営業として取り扱うことは、同じではありません。
自動車・バイクの個人売買では、取引の実態と必要な登録手続きを分けて考えることが大切です。
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