自動車の相続で、先に亡くなった家族がいるときの注意点

相続

祖父が亡くなり、車が残された。

「父が生きていれば、父が相続するはずだったのに」
「父は祖父より先に亡くなっている。この場合、車は誰が相続するのだろう?」
「自分も相続人になるのなら、名義変更の手続きに関係するのだろうか?」

このような疑問を持つ方もいらっしゃると思います。

自動車の相続では、亡くなった方の配偶者や子どもだけでなく、すでに亡くなっている家族の子どもが相続に関係する場合があります。

普段は意識することのない家族関係が、車の名義変更を進めようとしたときに問題になることもあります。

大切なのは、車を誰が使っているかだけで判断せず、誰が相続人になるのかを整理してから手続きを進めることです。

父が先に亡くなっていたら、祖父の車は誰が相続する?

例えば、次のような家族を考えてみましょう。

  • 祖父が亡くなった
  • 祖父には長男と次男がいた
  • 長男は、祖父より先に亡くなっていた
  • 長男には子どもがいる

この場合、長男が祖父より先に亡くなっているため、長男の子どもである孫が、長男に代わって祖父の相続人になることがあります。

この仕組みを「代襲相続」といいます。

難しい言葉ですが、簡単にいうと、本来相続人になるはずだった人が先に亡くなっているとき、その人の子どもなどが代わって相続する仕組みです。

そのため、祖父の車についても、孫が相続人になる場合があります。

ただし、孫であれば必ず相続人になるわけではありません。祖父の子どもが存命かどうか、遺言書があるかなど、個々の事情によって判断が変わります。

代襲相続という言葉を知らなくても、手続きには関係します

自動車の相続を考えるとき、一般の方はまず、

「車を誰が引き継ぐのか」
「名義変更には何の書類が必要なのか」

という点を気にすることが多いでしょう。

しかし、相続人が誰なのかを整理する段階で、先に亡くなった家族の存在が関係してくることがあります。

例えば、祖父の子どもが複数いて、そのうちの一人がすでに亡くなっている場合です。

「祖父の子どもたちで話し合えばよい」と思っていても、亡くなった子どもに子どもがいれば、その孫が相続人になることがあります。

その結果、これまであまり付き合いのなかった親戚も、相続手続きに関係する可能性があります。

相続人を正確に把握しないまま手続きを進めると、必要な書類が足りなかったり、名義変更の準備をやり直したりすることにもつながります。

叔父や叔母の車でも、代襲相続が関係することがあります

代襲相続は、祖父母から孫へ相続する場合だけの話ではありません。

例えば、子どものいない叔父が亡くなり、叔父の両親もすでに亡くなっているとします。

この場合、叔父の兄弟姉妹が相続人になることがあります。

さらに、その兄弟姉妹が叔父より先に亡くなっていれば、その人の子どもである甥や姪が代わって相続人になる場合があります。

つまり、叔父の車であっても、甥や姪が相続に関係することがあるのです。

ただし、叔父に配偶者や子どもがいる場合、両親が存命の場合などは、相続人の範囲が異なります。家族関係を順番に整理する必要があります。

叔父の車については、「叔父(おじ)が残した車は誰のもの?自動車の相続をわかりやすく解説」でも取り上げています。

叔父(おじ)が残した車は誰のもの?自動車の相続をわかりやすく解説
叔父が亡くなり、車が残された場合、その車は誰のものになるのでしょうか?叔父に子どもがいない場合の相続や、甥・姪が車を相続できるケース、遺言書や遺産分割について、わかりやすく解説します。

先に亡くなった家族がいる場合、戸籍はどうなる?

相続による名義変更では、誰が相続人になるのかを確認するため、戸籍などの書類が必要になります。

先に亡くなった家族がいる場合には、亡くなった方の戸籍だけでなく、その家族との関係を確認するための戸籍も必要になることがあります。

例えば、祖父の相続で孫が代襲相続人になる場合には、祖父と孫の関係だけでなく、祖父の子どもである父が先に亡くなっていることなどを戸籍でたどる必要があります。

「祖父の戸籍を集めれば終わり」とは限らないのです。

また、戸籍を集めることと、車を誰が引き継ぐのかを決めることは別の問題です。

相続人が分かっても、誰が車を取得するのか決まっていなければ、すぐに名義変更へ進めない場合があります。

戸籍を集める前に整理しておきたいことについては、「自動車の相続|戸籍を集める前に、決めておくべきことがあります」も参考にしてください。

自動車の相続|戸籍を集める前に、決めておくべきことがあります
自動車の相続では、戸籍を集める前に決めておくべきことがあります。誰が車を引き継ぐのか、相続人間で合意ができているかなど、順番を間違えないためのポイントを解説します。

相続人が分かったら、車を誰が引き継ぐかを整理する

相続人が誰になるのか分かったら、次に考えるのは、車を誰が引き継ぐのかということです。

例えば、祖父の車を祖母が使い続ける場合や、孫が引き継ぐ場合、売却する場合など、今後の扱いによって必要な手続きは異なります。

相続人が複数いる場合には、遺言書の有無や遺産分割の状況などを踏まえ、必要な手続きを進めることになります。

「普段から自分が乗っているから」「家族の中で自分が引き継ぐことになっているから」という事情だけで、名義変更に必要な手続きがすべて済むわけではありません。

また、相続人の一人と連絡が取れない場合や、車を誰が引き継ぐのかについて意見がまとまらない場合には、無理に名義変更を進めず、まず相続関係や話し合いの状況を整理することが大切です。

相続人が決まらず、手続きが進まない場合については、「相続人が決まらないと車はどうなる?|名義変更できないまま起きやすい問題」もご覧ください。

相続人が決まらないと車はどうなる?|名義変更できないまま起きやすい問題
相続人が決まらず、自動車の名義変更が進まないときはどうすればよいのでしょうか。売却や廃車、保険や維持費、相続放棄を検討している場合の注意点と、手続きを進める前に整理しておきたいことを紹介します。

「先に亡くなっている」ことと「相続放棄」は違います

ここで、もう一つ注意しておきたいことがあります。

代襲相続は、本来相続人になるはずだった人が先に亡くなっている場合などに関係する仕組みです。

一方、相続人になるはずだった人が相続放棄をした場合は、事情が異なります。

例えば、祖父の子どもである父が祖父の相続を放棄したからといって、その子どもである孫が父に代わって祖父の財産を相続するわけではありません。

先に亡くなっている場合と、相続放棄をした場合とでは、相続の扱いが異なります。

家族の話だけで判断せず、実際にどのような事情なのかを整理することが大切です。

自動車の相続では、家族関係を整理することが第一歩です

自動車の相続で、先に亡くなった家族がいる場合には、誰が相続人になるのかが分かりにくくなることがあります。

特に、祖父母の相続で孫が関係する場合や、叔父・叔母の相続で甥・姪が関係する場合には、戸籍をたどって相続関係を整理する必要があります。

大切なのは、最初から「代襲相続」という言葉を知っていることではありません。

「父が先に亡くなっているけれど、自分にも関係するのだろうか」
「祖父の車を引き継ぐには、誰の書類が必要なのだろうか」

このような疑問を持ったときに、家族関係を整理し、必要な手続きを順番に進めていくことです。

ゆめのほし行政書士事務所では、名古屋ナンバーの自動車・バイクについて、相続による名義変更などの手続きをお手伝いしています。

  • 先に亡くなった家族がいる場合の、自動車相続に必要な書類の準備
  • 相続による名義変更に向けた手続きの整理
  • 車の種類や登録状況に応じた、必要な手続きのご案内

自動車の相続では、家族関係や車の状況によって必要な書類が変わります。

誰が相続人になるのか分からない場合や、相続人同士で意見が対立している場合には、行政書士だけで対応できないこともあります。その場合は、弁護士などへの相談が必要になることがあります。

「先に亡くなった家族がいるけれど、車の名義変更をどう進めればよいか分からない」という方は、まず現在の状況を整理するところから始めてみましょう。