相続は誰に相談すればいい?弁護士・司法書士・行政書士・税理士の選び方

相続

家族が亡くなり、相続が発生したとき。

実家や預貯金、自動車など、引き継ぐ財産があっても、何から始めればよいのかわからない方は少なくありません。

「弁護士に相談すればよいのだろうか」
「司法書士と行政書士は何が違うの?」
「相続税がかかるかどうかもわからない」
「車の名義変更は、どこに頼めばよいのだろう」

このように、相談先を決められず、手続きが止まってしまうこともあると思います。

相続では、すべての手続きを一人の専門家に任せる必要はありません。困っている内容によって、相談先を選ぶことができます。

この記事では、弁護士・司法書士・行政書士・税理士など、それぞれの相談先と、自動車を相続した場合の手続きについてお伝えします。

まずは、何に困っているのかを整理しましょう

相続の相談先に迷ったときは、次の3つから考えてみると整理しやすくなります。

  • 家族や相続人同士で争いがあるか
  • 相続税の申告が必要になりそうか
  • 名義変更や預貯金の払い戻しなど、具体的な手続きを進めたいのか

例えば、相続人同士で遺産の分け方について争いがある場合と、家族間で話し合いがまとまっていて自動車の名義変更をしたい場合とでは、適した相談先が異なります。

何もかも一度に整理しようとする必要はありません。まずは、現在困っていることから考えてみましょう。

相続の相談先はどこ?専門家ごとの役割

1.弁護士|相続人同士の争いや交渉がある場合

相続人同士で遺産の分け方について意見が合わない場合や、遺留分、遺言の有効性などをめぐって争いがある場合には、弁護士への相談が選択肢になります。

例えば、次のようなケースです。

  • 特定の相続人が遺産を独り占めしようとしている。
  • 遺産分割の話し合いがまとまらない。
  • 遺留分について争いがある。
  • 相続人の一人と連絡が取れず、交渉が進まない。
  • 調停や裁判を検討している。

弁護士は、法律上の要件を満たす範囲で、依頼者の代理人として相手方との交渉や裁判手続きを行うことができます。

相続人同士で話し合いができない場合には、早めに相談するとよいでしょう。

2.司法書士|実家や土地などの相続登記

亡くなった方が土地や建物を所有していた場合には、不動産の名義変更である相続登記が必要になることがあります。

このような登記手続きについては、司法書士に相談できます。

例えば、次のようなケースです。

  • 実家の土地や建物を相続した。
  • 相続した不動産の名義を変更したい。
  • 不動産の相続登記に必要な書類を準備したい。

不動産の相続登記は、原則として、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請する義務があります。遺産分割が成立した場合には、その内容に応じた登記についても別途期限が生じることがあります。

また、相続放棄は家庭裁判所で行う手続きです。一般に、相続の開始を知ったときから3か月以内という期限があるため、相続放棄を考えている場合には、早めに家庭裁判所や弁護士・司法書士などに相談しましょう。

司法書士に依頼できる業務には範囲があるため、希望する手続きに対応しているかを事前に相談することが大切です。

3.行政書士|遺産分割協議書や自動車の名義変更

相続人同士で遺産の分け方について合意できている場合には、行政書士に相談できる手続きもあります。

例えば、次のようなものです。

  • 遺産分割協議書などの書類作成
  • 相続に伴う自動車の名義変更
  • 自動車の相続手続きに必要な戸籍などの書類の準備
  • 相続した自動車を売却するための名義変更に関する手続き

ただし、相続人同士で争いがある場合の代理交渉などは、行政書士の業務範囲ではありません。そのような場合には弁護士への相談が適切です。

また、不動産の相続登記や相続放棄の申述など、行政書士が代理して行えない手続きもあります。

相続人同士の話し合いがまとまっていて、必要な書類の作成や自動車の名義変更を進めたい場合には、行政書士が相談先の一つになります。

4.税理士|相続税の申告や税金の相談

相続財産が一定額を超える場合には、相続税の申告が必要になることがあります。

相続税については、税理士に相談できます。

例えば、次のようなケースです。

  • 相続税がかかるかどうかわからない。
  • 不動産や預貯金など、財産が複数ある。
  • 相続税の計算や申告を依頼したい。
  • 生前贈与が相続税にどのように影響するか知りたい。

相続税の基礎控除額は、原則として次の式で計算します。

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

例えば、法定相続人が3人の場合、基礎控除額は4,800万円です。

ただし、相続税の計算では、財産の評価や債務、各種特例なども関係します。財産の総額だけで単純に判断できるとは限りません。

相続税の申告が必要な場合、原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に申告と納税を行います。

申告が必要か判断できない場合も、税理士に相談するとよいでしょう。

5.金融機関|預貯金の相続手続き

亡くなった方の預貯金を引き継ぐ場合には、銀行などの金融機関で相続手続きを行います。

金融機関によって必要書類や手続きの流れが異なるため、まずは口座のある銀行などに相談しましょう。

一般的には、戸籍関係の書類、相続人の書類、遺言書や遺産分割協議書などが必要になる場合があります。

複数の金融機関に口座がある場合には、それぞれで手続きが必要になることがあります。

6.自動車販売店・買い取り業者|相続した車を売りたい場合

相続財産に自動車やバイクが含まれている場合、必ずしも自分で乗り続けるとは限りません。

「亡くなった父の車を売却したい」
「相続したバイクを手放したい」
「乗る予定がないので、買い取ってもらいたい」

このような場合には、自動車販売店や買い取り業者に相談する方法があります。

車両の査定や売却について相談できる一方、相続による名義変更などの手続きは、車両の種類や現在の名義、相続人の状況によって異なります。

相続人が複数いる場合には、誰が車両を引き継ぐのか、売却について合意できているかといった点も関係します。

また、買い取り業者が相続に伴う名義変更まで引き受けられるかどうかは、業者や個別の事情によって異なります。

車両の売却と相続手続きの両方が必要な場合には、販売店や買い取り業者に相談するとともに、必要に応じて行政書士などの専門家に相談するとよいでしょう。

7.年金事務所・社会保険労務士|遺族年金などの相談

家族が亡くなった場合、遺族年金などの手続きが必要になることもあります。

年金については、年金事務所や街角の年金相談センターなどで相談できます。また、社会保険労務士に相談する方法もあります。

ただし、遺族年金を受け取れるかどうかは、亡くなった方の加入状況や遺族の要件などによって異なります。

該当する可能性がある場合には、早めに相談しておくと安心です。

相談先に迷ったら、まず何をすればよい?

ここまで読んでも、どこから手をつければよいのかわからない方もいらっしゃると思います。

そのような場合には、次のような順番で整理してみましょう。

家族間で争いがある場合

弁護士に相談し、遺産分割や交渉について今後の進め方を考えます。

相続税が心配な場合

税理士に相談し、申告が必要かどうかや申告期限について確認します。

実家や土地・建物を相続した場合

相続登記について、司法書士などに相談します。

預貯金の払い戻しをしたい場合

口座のある金融機関に相続手続きについて問い合わせます。

自動車やバイクの名義変更をしたい場合

車種や現在の名義、相続人の状況に応じて、行政書士などに相談します。

相続した自動車を売却したい場合

買い取り業者などに査定を依頼し、相続による名義変更などの必要な手続きも整理します。

なお、相続放棄を検討している場合には、原則3か月という期限があるため、ほかの手続きよりも先に相談が必要になることがあります。

専門家に相談するとき、何を用意すればよい?

最初の相談では、すべての書類がそろっていなくても構いません。

手元にあるものから準備しておくと、話が進めやすくなります。

  • 固定資産税の納税通知書など: 不動産の所在地や評価額の手がかりになります。
  • 通帳や金融機関名がわかる資料: 預貯金の相続手続きに役立ちます。
  • 家族関係のメモ: 配偶者、子ども、親、兄弟姉妹など、相続人になりそうな人を整理します。
  • 遺言書の有無: 遺言書がある場合には、保管場所や種類も伝えます。
  • 財産のメモ: 不動産、預貯金、自動車、バイク、借入金など、わかる範囲で書き出します。
  • 亡くなった方の車検証: 自動車やバイクを相続する場合に役立ちます。

書類が不足していても、最初からすべてをそろえようとして相談を先延ばしにする必要はありません。

特に、相続放棄や相続税の申告など、期限がある手続きについては、早めに相談することが大切です。

最初の相談先が違っていても、やり直せることがあります

相続では、一つの財産について複数の手続きが関係することがあります。

例えば、亡くなった方が不動産と預貯金、自動車を所有していた場合、それぞれについて別の手続きが必要になることがあります。

最初に相談した専門家が、すべての手続きを直接行うとは限りません。

しかし、相談内容によっては、ほかの専門家や窓口を案内してもらえることもあります。

大切なのは、最初からすべての相談先を正確に選ぶことよりも、期限のある手続きを放置せず、困っていることを一つずつ整理していくことです。

ゆめのほし行政書士事務所では、名古屋ナンバー管轄の自動車・バイク手続きについて、次のようなお手伝いをしています。

  • 自動車の相続に伴う名義変更
    ご家族が亡くなり、自動車を引き継ぐことになった場合の名義変更手続きをお手伝いします。
  • 相続した自動車の売却に伴う名義変更
    相続した自動車を売却したい場合に、状況に応じた名義変更手続きをお手伝いします。
  • 相続に伴う書類の準備
    自動車の名義変更に必要となる戸籍などの書類について、手続きに応じた準備をお手伝いします。
  • 自動車・バイクの名義変更や住所変更
    相続以外の譲渡や売買、引っ越しなどに伴う名義変更・住所変更の手続きをお手伝いします。

相続では、不動産や預貯金などの手続きと並行して、自動車の名義変更が必要になることもあります。

相続全体の手続きのうち、自動車・バイクに関する手続きが必要になった場合には、車種や相続の状況に応じて進めることが大切です。