車を購入したときや、家族から自動車を譲り受けたとき。
名義変更などの手続きを進めるために、車庫証明が必要になることがあります。
「必要な書類をそろえて、警察署に提出すれば大丈夫だろう」
そう考えて準備を始める方もいらっしゃると思います。
しかし、車庫証明は、書類がそろっていれば必ず取得できるというものではありません。
駐車場の広さや使用する権利、申請する住所と実際の使用状況などに問題があると、書類を提出した後に手続きが止まることがあります。
せっかく時間をかけて準備したのに、書類の作り直しや駐車場の変更が必要になれば、名義変更などの予定にも影響しかねません。
そこで今回は、車庫証明を申請する前に確認しておきたいポイントを、実際の準備に沿って整理します。
駐車場は実際に車を保管できる状態ですか
まず確認したいのは、申請する駐車場で、本当にその自動車を保管できるかという点です。
例えば、次のような状況には注意が必要です。
- 月極駐車場の契約がまだ始まっていない
- 自分が使用する駐車区画が明確になっていない
- 車体が駐車スペースに収まらない
- 出入口が狭く、車の出し入れが難しい
- 荷物や別の車が置かれていて、実際には駐車できない
駐車場を借りているからといって、必ず車庫証明を取得できるわけではありません。
契約している区画の位置や広さ、道路からの出入り、実際に車を保管できる状態かどうかが大切です。
駐車場の広さは事前に測っておきましょう
駐車場の広さを確認するときは、メジャー(巻尺)があると便利です。
車検証などで自動車の全長・全幅・全高を調べ、駐車場の幅や奥行きと比べてみましょう。
ただし、車体が物理的に収まるだけでは十分とは限りません。出入口の幅や周囲の障害物なども考慮する必要があります。
駐車場の写真を撮っておくと、区画や出入口の状況を後から見直す際にも役立ちます。
月極駐車場だから安心、自宅の敷地だから問題ないと決めつけず、実際に保管できるかを確かめておきましょう。
使用承諾書は、正しい権利者が作成していますか
自分が所有していない土地や駐車場を使用する場合は、その場所を使用できる権利があることを示す書類が必要になります。
一般的には、駐車場の所有者や管理会社などから「保管場所使用承諾証明書」を取得するケースがあります。
ここで注意したいのが、使用を認めてもらっていることと、使用承諾書が適切に作成されていることは別だという点です。
例えば、次のようなケースです。
- 承諾する権限がある人なのか、はっきりしない
- 使用期間が実際の契約内容と合っていない
- 駐車場の所在地や区画の記載が正確でない
- 必要な記名などが不足している
書類に不備があれば、訂正や追加の対応が必要になることがあります。
また、駐車場の持ち主から「使用承諾書を書いておいて」と頼まれた場合でも、申請者が自由に作成してよいわけではありません。
使用承諾書は、駐車場を使用することを認める権利者の意思を示す書類です。誰が作成するのか、どのような権限に基づいて作成するのかを大切にする必要があります。
この点については、「車庫証明の使用承諾書、駐車場の持ち主から頼まれたら自分で書いてもいい?」でも取り上げています。

「前回も同じ書き方で通ったから、今回も大丈夫」と考えず、今回の契約や申請内容に合っているかを確認しておきましょう。
自宅と駐車場の距離は要件を満たしていますか
車庫証明では、駐車場の場所だけでなく、車を使用する拠点との位置関係も重要です。
普通自動車の保管場所は、原則として、使用の本拠の位置から直線距離で2キロメートル以内にある必要があります。
例えば、次のような場合は注意が必要です。
- 自宅から離れた月極駐車場を借りている
- 引っ越しに伴って駐車場を変更した
- 車検証に記載された住所と実際の生活・使用の状況が異なる
- 車の所有者と、実際に使用する人の住所が異なる
ここで大切なのは、住民票や車検証に記載された住所だけで判断しないことです。
車庫証明では「使用の本拠の位置」という考え方が関係します。実際にどこで自動車を使用するのかによって、必要な確認事項が変わる場合があります。
住所が異なるからといって、必ず申請できないわけではありません。しかし、実際の状況と申請内容が一致していることが重要です。
距離や住所の関係が気になる場合は、申請書を作り始める前に整理しておくと、後からの手戻りを減らせます。
申請する内容と、実際の使用状況は一致していますか
車庫証明では、書類に記載した内容と実際の状況が一致していなければなりません。
例えば、次のような申請には注意が必要です。
- 実際には使用できない駐車場を保管場所として届け出る
- いつも別の場所で車を使用しているのに、実態と異なる使用の本拠を記載する
- 使用する権利がない駐車場を、使用できるものとして申請する
単なる記載ミスと、実際の状況と異なる内容を届け出ることは同じではありません。
しかし、「とりあえず書類を出しておこう」「後から何とかすればよい」と進めると、申請のやり直しや、名義変更などの後続手続きに影響が出る可能性があります。
車庫証明は、書類上の住所や駐車場を整えるだけの手続きではありません。実際に車を使用・保管する状況に基づいて申請することが大切です。
申請内容と実際の状況が異なる場合にどのような問題が起こり得るかについては、「車庫証明の嘘はバレる?『悪気はなかった』で済まない理由」でも触れています。

車庫証明だけでなく、その後の名義変更も考えていますか
車庫証明を取得する目的は、車庫証明そのものではなく、その後の自動車登録などの手続きを進めることにある場合も多いでしょう。
例えば、次のようなケースです。
- 新しく自動車を購入した
- 家族から自動車を譲り受けた
- 引っ越しに伴って住所変更をする
- 相続によって自動車を引き継ぐ
これらは、すべて同じ手続きではありません。
車庫証明が必要になるかどうかや、取得した後に必要となる手続きは、自動車の種類や登録の内容、変更の理由などによって異なります。
また、車庫証明を取得できたとしても、名義変更に必要な書類が不足していれば、登録手続きが進まないことがあります。
そのため、車庫証明だけを先に進めるのではなく、最終的にどのような登録手続きをするのかも考えておくことが大切です。
特に、親や家族から自動車を引き継ぐ場合は、通常の譲渡とは異なる書類が必要になることがあります。相続が関係する場合は、車庫証明の準備と並行して、名義変更に必要な書類も整理しておきましょう。
警察署への申請前に、書類と図面を見直しましょう
車庫証明の申請では、申請書だけでなく、保管場所の位置や周囲の状況を示す書類なども必要になります。
申請前には、次の点を見直しておきましょう。
- 申請書の住所や氏名、車両情報に誤りがないか
- 保管場所の所在地や区画が正しく記載されているか
- 使用する権利を示す書類が適切に用意されているか
- 配置図や所在図が実際の状況と合っているか
- 必要な書類がそろっているか
なお、必要書類や記載方法などについては、申請先の警察署の案内も確認しておきましょう。
インターネットで見つけた記入例が、自分のケースにもそのまま当てはまるとは限りません。住所や駐車場の条件が異なれば、確認すべき点も変わります。
実際に車庫証明が取れない原因や、問題が見つかった場合の考え方については、「車庫証明書が取れないときの原因と対処のしかた」も参考になります。

当事務所がお手伝いできること
ゆめのほし行政書士事務所では、名古屋市の車庫証明をはじめ、自動車の名義変更や住所変更などの手続きを取り扱っています。
車庫証明では、駐車場の条件や使用承諾書の準備、申請書類の作成など、事前に整理しておきたいことがあります。
特に、次のような場合は注意が必要です。
- 駐車場の条件や、使用承諾書の準備に不安がある
- 家族の代わりに手続きを進めたいが、書類の作成方法に迷っている
- 車庫証明を取得した後、名義変更などの手続きも必要になる
当事務所では、車庫証明の取得をはじめ、状況に応じた自動車の手続きをお手伝いしています。
書類を提出することだけを目標にせず、実際の状況に合った書類を整え、適切な方法で手続きを進めること。
その点を大切に、一つひとつの手続きをお手伝いしています。
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