家族が亡くなり、車を相続することになったものの、
「今は誰も乗る予定がない」
「売るかどうか、まだ決められない」
「とりあえず一時抹消登録をしておいた方がいいのだろうか」
このように悩まれる方もいらっしゃると思います。
相続直後は、預貯金や不動産などの手続きもあり、車のことまで考える余裕がない場合もあります。
しかし、すぐに使わないからといって、急いで一時抹消登録をすればよいとは限りません。
車を誰が引き継ぐのか、将来どうするのかによって、適した手続きが変わることがあるためです。
この記事では、相続した車をすぐに使わない場合に、一時抹消登録を選ぶ前に考えておきたいことを整理します。
相続した車をすぐに使わないとき、どのような選択肢がある?
相続した車をすぐに使わない場合、主に次のような選択肢が考えられます。
- 相続による名義変更を行い、使わずに保管する
- 一時抹消登録を行い、使用を中止する
- 売却する
- 解体などを行い、永久抹消登録をする
どの方法が適しているかは、車の状態や相続人間の話し合い、今後の予定によって異なります。
例えば、数か月後に家族が使う予定であれば、必ずしも一時抹消登録をする必要はないかもしれません。
一方、当面使う予定がなく、保管にかかる費用などを抑えたい場合には、一時抹消登録が選択肢になります。
大切なのは、手続きを先に決めるのではなく、車を今後どうするのかを整理してから、必要な手続きを考えることです。
一時抹消登録とは?
一時抹消登録とは、普通車の使用を一時的に中止するための登録手続きです。
手続きを行うと、車検証上の登録が抹消され、ナンバープレートを返納することになります。そのままでは公道を走行できませんが、将来、必要な手続きを行って再登録することは可能です。
一時抹消登録には、次のような特徴があります。
- 使用しない期間の自動車税(種別割)の負担を抑えられる場合がある
- 使用を再開する際には、改めて登録などの手続きが必要になる
- ナンバープレートを返納するため、登録を維持したまま保管する場合とは扱いが異なる
なお、自動車税(種別割)の扱いは、登録を抹消する時期などによって異なります。また、自賠責保険や任意保険についても、契約内容に応じた手続きが必要になる場合があります。
一時抹消登録をすれば、すべての維持費が自動的になくなるわけではありません。
一時抹消登録をする前に考えておきたい3つのこと
1.誰が車を相続するのか決まっているか
まず考えておきたいのが、車を誰が引き継ぐのかという点です。
相続人が複数いる場合、車を誰が取得するのか、今後どのように扱うのかについて、話し合いが必要になることがあります。
まだ遺産分割の話し合いが終わっていない段階で、特定の相続人の判断だけで車の処分を進めると、後からほかの相続人との間で問題になる可能性があります。
一時抹消登録は、車を使用しない状態にするための手続きですが、それによって相続人間の権利関係まで整理されるわけではありません。
「使わない車だから、とりあえず手続きしておこう」と考える前に、相続人間で車の扱いを整理しておくことが大切です。
相続した車について、何から考えればよいのか分からない場合は、当事務所の関連記事も参考にしてください。

2.将来、車を使う可能性はあるか
今は使う予定がなくても、将来的に家族が使用する可能性があるかもしれません。
例えば、次のようなケースです。
- 家族が引き継いで乗るかもしれない
- 車検や修理の費用を考えてから、使用するか決めたい
- 売却するかどうか、もう少し時間をかけて考えたい
このような場合には、すぐに一時抹消登録をするのではなく、車の状態や保管場所、今後の予定を整理してから判断してもよいでしょう。
ただし、登録を維持したまま保管する場合も、自動車税や保険、車検などの費用・期限には注意が必要です。
反対に、今後使う予定がなく、長期間保管することになるのであれば、一時抹消登録を検討する理由があります。
今後使う可能性と、登録を維持するための負担を比べながら考えることが大切です。
3.売却や廃車を考えているか
車を今後使う予定がなく、売却や廃車を考えている場合は、一時抹消登録をすることだけを先に決めず、最終的にどのような形で車を手放すのかも考えておきましょう。
一時抹消登録をした後に売却する方法もありますが、売却先や手続きの進め方によっては、先に一時抹消登録をする必要がない場合もあります。
また、解体する予定であれば、一時抹消登録を経ずに永久抹消登録を行う方法なども含めて検討することになります。
相続人間で車の扱いが決まっていない場合は、売却や廃車を急がないことも重要です。
車を動かしたり、売却したり、処分したりする行為が、状況によっては相続財産の処分に関係することもあります。相続放棄を検討している場合は、特に慎重に判断しましょう。
相続による名義変更と一時抹消登録は、必ず別々に行うとは限りません
「一時抹消登録をする前に、必ず相続による名義変更を済ませなければならないのだろうか」
この点で迷われる方もいらっしゃると思います。
普通車の場合、相続による名義変更を行った後に一時抹消登録をする方法があります。
一方、必要書類などの条件を満たせば、相続と一時抹消登録を同時に手続きできる場合もあります。
そのため、必ず先に名義変更をしなければならないと決まっているわけではありません。
ただし、相続人が誰なのか、誰が車を引き継ぐのか、遺産分割協議の状況などによって必要書類や手続きが異なります。
車検証に記載されている所有者が亡くなった方本人なのか、ローン会社など別の名義になっているのかも、手続きに関係する重要な点です。
手続きの順序を決める前に、車検証や相続関係の書類をもとに、どの方法が適しているかを整理しておくとよいでしょう。
何も決めずに長期間放置することにも注意が必要です
一時抹消登録をするかどうか、すぐに決められないこともあると思います。
しかし、使わない車をそのまま長期間放置すると、車検や保険の期限、自動車税の負担、保管場所などの問題が生じることがあります。
また、時間が経過するにつれて、必要な書類が見つからなくなったり、相続人間で車の扱いについて認識が食い違ったりすることも考えられます。
すぐに売却や抹消登録を決める必要がない場合でも、まずは次の点を整理しておくとよいでしょう。
- 車を誰が引き継ぐのか
- 今後、使用する可能性があるのか
- 売却・廃車・保管のどれを考えているのか
- 車検や保険、税金などの状況はどうなっているのか
こうした点を整理しておけば、必要な手続きを考えやすくなります。
当事務所がお手伝いできること
ゆめのほし行政書士事務所では、名古屋ナンバーの自動車について、相続による名義変更などのお手伝いをしています。
例えば、次のような場合です。
- 相続した車をすぐに使わないため、今後の扱いに迷っている
- 一時抹消登録と名義変更のどちらを先に考えればよいか分からない
- 相続人間で車の扱いを整理した後、必要な登録手続きを進めたい
車をすぐに使う予定がない場合でも、必ず一時抹消登録をしなければならないわけではありません。
また、最初から売却や廃車と決めておく必要もありません。
大切なのは、相続関係や車の状況、今後の予定に応じて、無理のない進め方を考えることです。
相続した車の手続きについてお困りの方は、まずは現在の状況を整理するところから始めてみてください。
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