車庫証明の嘘はバレる?|「悪気はなかった」で済まない理由

車庫証明書

「車庫証明って、正直に書かなくてもバレないんじゃないですか?」

自動車の手続きを進める中で、このように考えてしまう方もいるかもしれません。

例えば、次のようなケースです。

  • 実際には別の場所に車を停めている
  • 契約していない月極駐車場を保管場所として申請する
  • 使用の本拠の位置について、実際の状況と異なる住所を書く
  • 駐車場の所有者や管理会社の承諾を得ずに、使用承諾証明書を作成する

「嘘をつくつもりはなかった」
「少しくらいなら問題ないと思った」

そのような事情があったとしても、申請内容が実際の状況と異なっていれば、問題になる可能性があります。

車庫証明は、単に書類を提出すればよいというものではありません。

大切なのは、申請内容が実際の使用状況や駐車場所の条件に合っていることです。

車庫証明は「自己申告」だが、確認されないわけではない

車庫証明は、申請者が必要な事項を申告し、書類を提出する手続きです。

そのため、

「警察が毎回、現地を見に来るわけではない」
「書類が受け付けられたのだから問題ない」

と思われることもあるでしょう。

しかし、書類が受け付けられたことと、申請内容に問題がないことは同じではありません。

例えば、次のような点が問題になることがあります。

  • 使用の本拠の位置と保管場所の距離
  • 月極駐車場の契約内容
  • 実際に車を保管する場所
  • 申請者がその駐車場を使用する権利を持っているか

申請内容に疑問が生じた場合には、追加の説明や書類を求められることもあります。

車庫証明は、「バレるか、バレないか」で考えるものではないのです。

「悪気はなかった」が通らない理由

車庫証明で大切なのは、申請者の気持ちだけではなく、申請内容と実際の状況が一致していることです。

例えば、次のような場合です。

  • 実際には使用していない駐車場を保管場所として申請した
  • 車を保管する場所が、申請した場所と異なっていた
  • 駐車場を使用する権利がないのに、使用できるものとして申請した

このような場合、「知らなかった」「問題ないと思っていた」という説明だけでは、解決できないことがあります。

状況によっては、申請のやり直しや追加の対応が必要になり、予定していた登録手続きにも影響が出る可能性があります。

もちろん、単純な記載ミスと、事実と異なる内容を意図的に申告することは同じではありません。

大切なのは、間違いに気づいたときに、そのままにせず、適切な対応を取ることです。

車庫飛ばしとは?実際の保管場所と異なる申請に注意

「車庫飛ばし」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

一般的には、実際の使用の本拠や保管場所と異なる内容で車庫証明を取得し、登録するような行為を指して使われます。

例えば、次のようなケースです。

  • 実際には別の場所で車を使用・保管しているのに、別の住所を基準に申請する
  • 契約していない駐車場を保管場所として申請する
  • ナンバーを変更するため、実態と異なる使用の本拠を申告する

ただし、住所が異なることや、家族の駐車場を利用することだけで、直ちに車庫飛ばしになるわけではありません。実際の使用状況や保管場所の条件などによって判断が異なります。

問題となるのは、必要な要件を満たしていないのに、満たしているように申請することです。

「ナンバーを変えたい」「駐車場代を抑えたい」といった事情があっても、実際の状況と異なる内容で申請してよいわけではありません。

車庫飛ばしで逮捕された事例もあります

車庫証明に関する虚偽申請については、実際に逮捕に至った事例も報道されています。

2026年9月には、契約していない月極駐車場を車の保管場所と偽って、車庫証明の申請書類を提出した疑いで男性2人が逮捕されたと報じられました。

報道によると、ナンバーを変更するための虚偽申請に関与した疑いが持たれていました。

この報道からも、車庫証明の虚偽申請が、単なる書類の書き間違いでは済まない場合があることが分かります。

自動車の保管場所に関する虚偽の書面を提出して車庫証明を取得した場合など、行為の内容によっては、自動車の保管場所の確保等に関する法律に基づく罰則の対象になることがあります。

ただし、逮捕されたことは有罪判決を意味するものではありません。また、記載ミスがあれば直ちに犯罪になるというわけでもありません。

大切なのは、実際の状況と異なる内容を申告したり、必要な権限を持たずに書類を作成したりしないことです。

使用承諾証明書を勝手に作成するのも危険です

車庫証明の申請では、月極駐車場など、他人の土地を保管場所として使用する場合に、使用承諾証明書や賃貸借契約書の写しなどが必要になることがあります。

ここで注意したいのが、駐車場の所有者や管理者の承諾を得ずに、使用承諾証明書を作成してしまうことです。

例えば、次のようなケースが考えられます。

  • 管理会社に依頼するのが面倒で、自分で承諾者の署名を書いた
  • 駐車場の所有者に無断で印影を使用した
  • 実際には承諾を得ていないのに、承諾を受けたように書類を作成した

駐車場を使っているからといって、所有者や管理者に代わって自由に承諾書を作成できるわけではありません。

権限のない人が他人の署名や印影を使って書類を作成した場合など、具体的な事情によっては、私文書偽造などの犯罪が成立する可能性があります。

「いつも使っている駐車場だから大丈夫だと思った」
「承諾をもらえるはずだった」

という事情があっても、実際に承諾を得ていることとは別の問題です。

必要な書類を用意できない場合は、駐車場の所有者や管理会社に相談し、適切な方法で手続きを進めましょう。

「少しくらいなら」は一番危ない

車庫証明では、次のような点が軽く考えられてしまうことがあります。

  • 住所と地番の違い
  • 自宅ではなく実家を使用の本拠にする場合
  • 実際に使用する予定がない駐車場を申請する場合
  • 駐車場の契約者と申請者が異なる場合

ただし、これらはすべて不正になるという意味ではありません。

例えば、住所と地番は用途によって記載方法が異なります。また、家族の住所や駐車場を利用する場合も、実際の使用状況や権利関係によって扱いが異なります。

問題なのは、必要な条件を満たしていないのに、満たしているように申請することです。

判断に迷った場合は、自分の考えだけで書類を整えるのではなく、申請先の警察署や適切な専門家に相談しましょう。

改正行政書士法で、書類作成を誰に依頼するかも大切に

令和8年1月1日から、改正行政書士法が施行されました。

改正法では、行政書士や行政書士法人でない者が、他人の依頼を受け、報酬を得て、業として官公署に提出する書類を作成することについて、制限が明確化されています。

報酬の名目が「手数料」や「コンサルタント料」などであっても、名目だけで判断されるわけではありません。実際にどのような業務を行っているかが重要です。

車庫証明の手続きでも、誰が書類を作成するのか、どのような業務を依頼するのかという点に注意が必要です。

もちろん、自分自身の申請書類を自分で作成することまで禁止されたわけではありません。また、販売店などが関係する手続きについても、具体的な業務内容によって判断が異なります。

車庫証明の内容を正しく申告することと、適切な資格や権限を持つ人に書類作成を依頼すること。どちらも、安心して手続きを進めるために大切です。

車庫証明で本当に大事なのは、事前の準備

車庫証明では、書類の書き方だけでなく、申請内容と実際の状況が合っていることが重要です。

  • 実際に使用する駐車場所を申請しているか
  • 駐車場を使用する権利があるか
  • 必要な承諾を得ているか
  • 使用の本拠の位置など、申請内容に問題がないか

こうした点を申請前に整理しておけば、不要なやり直しやトラブルを防ぎやすくなります。

  • 車庫証明の申請書類の作成
  • 所在図・配置図の作成
  • 警察署への申請手続き
  • 駐車場所や必要書類についてお困りの方への手続き上のサポート

「この駐車場で申請できるのだろうか」
「使用承諾証明書を用意できない場合は、どうすればよいのだろうか」

このようなお悩みがある場合も、状況に応じて必要な手続きを進めるお手伝いをしています。

事実と異なる内容で申請したり、承諾を得ずに書類を作成したりするのではなく、適切な方法で手続きを進めることが大切です。

「バレなければよい」ではなく、後から困らない手続きを

車庫証明は、単に書類を提出して終わりというものではありません。

申請内容と実際の状況が一致していること、必要な承諾を得ていること、適切な方法で書類を用意することが大切です。

「悪気はなかった」という事情があっても、問題が生じてからでは、余計な時間や手間がかかることがあります。