親の体調が悪くなったとき。
施設に入ることになったとき。
運転免許の返納を考え始めたとき。
あるいは、親が亡くなり、車を相続することになったとき。
そんな場面で、
「親の車の手続きは、誰がやればいいのだろう?」
「子どもが代わりに手続きをしても大丈夫なのだろうか?」
と悩む方もいらっしゃると思います。
親のことだから、自分が何とかしなければ。
そう考えるのは自然なことです。
しかし、親の車の手続きは、家族であれば誰でも自由に進められるわけではありません。
親が自分で判断できるのか、手続きを誰かに任せられる状態なのか、すでに相続が発生しているのか。
こうした事情によって、手続きの進め方は変わります。
この記事では、親の車の手続きを誰が行うのか、状況ごとに整理します。
親が元気なうちは、本人の意思をもとに進めます
親が元気で、車の名義変更や売却などについて自分で判断できる場合は、原則として親本人の意思をもとに手続きを進めます。
例えば、次のようなケースです。
- 親が運転免許を返納し、車を子どもに譲りたい
- 親が施設に入るため、車を売却したい
- 車を使わなくなったので、廃車にしたい
このような場合、子どもが必要書類を準備したり、手続きの段取りを手伝ったりすることはできます。
親が手続きの内容を理解し、本人の意思で依頼できるのであれば、委任状などの必要な手続きを行うことで、子どもや行政書士が代わりに手続きを進められる場合もあります。
本人が窓口へ行けないからといって、必ずしも本人がすべての作業をしなければならないわけではありません。
ただし、必要な書類や代理で行える範囲は、手続きの内容によって異なります。
家族だからといって、何でも代わりにできるわけではありません
親の体調が悪くなったり、外出が難しくなったりすると、子どもが代わりに手続きを進めたいと考えることもあるでしょう。
しかし、家族であることだけを理由に、本人に代わって自由に手続きができるわけではありません。
例えば、本人の意思を確認したうえで委任を受けて進める手続きと、本人の意思を確認できない状態で進めようとする手続きでは、考え方が異なります。
また、車庫証明の申請などでは、申請者や代理人、必要書類の扱いについて注意が必要です。
家族が代わりに進める場合の注意点については、「委任状があれば家族は何でもできる?車庫証明書の注意点」も参考にしてください。

親のために動いているつもりでも、手続きの方法を誤ると、書類の作り直しや追加の対応が必要になることがあります。
大切なのは、家族だからできると決めつけず、手続きごとのルールに沿って進めることです。
親の判断能力に不安がある場合は、慎重に考える必要があります
親が高齢になり、認知症などの影響で、車の売却や名義変更について十分に判断できるか不安になる場合もあります。
例えば、
- 手続きの内容を理解することが難しい
- 車を誰に譲るのか、自分で判断できない
- 委任状の意味や、手続きを任せることの内容を理解できない
といった状況です。
このような場合、家族が代わりに署名したり、本人の意思を確認しないまま手続きを進めたりすることは避けなければなりません。
親が高齢であることや、認知症の診断を受けていることだけで、直ちにすべての法律行為ができなくなるわけではありません。しかし、実際にその手続きの意味や結果を理解して判断できるかが重要になります。
本人が有効に委任できる状態でない場合は、通常の委任による手続きでは対応できないことがあります。
その場合には、成年後見制度などを検討する必要が生じることもあります。
車の名義変更だけを考えるのではなく、本人の財産をどのように管理するかという視点も必要です。
判断能力に不安がある場合は、無理に手続きを進めず、成年後見制度に詳しい専門家などに相談しましょう。
親が施設に入る場合、車をどうするかも考えておきましょう
親が介護施設などに入ることになった場合、車を今後どうするのか考える必要が出てくることがあります。
例えば、
- 施設に入ったあとも、車を保有しておく
- 子どもが車を引き継ぐ
- 使用する予定がないため、売却や廃車を検討する
といった選択肢があります。
このとき、まず考えておきたいのは、親本人が車をどうしたいと思っているかということです。
親が自分で判断できるのであれば、本人の意向を確認したうえで、今後の方針を決めていきましょう。
また、車検証の所有者が親本人とは限らない点にも注意が必要です。
ローン会社や販売会社などが所有者となっている場合もあるため、車検証の記載内容を確認することが大切です。
親が高齢になり、車の名義変更について悩んでいる方は、「名古屋で高齢の親の車の名義変更にお困りのご家族へ」もご覧ください。

親が亡くなった場合は、相続人が関わる手続きになります
親が亡くなった場合、車は原則として相続財産になります。
この場合は、生前に親から車を譲り受ける場合とは異なり、相続関係を整理したうえで名義変更などを進める必要があります。
相続人が複数いる場合には、誰が車を引き継ぐのかを決めなければならないこともあります。
「長男だから自分が手続きすればよい」
「同居していた自分がそのまま使えばよい」
と考えていても、それだけで車を自由に処分できるとは限りません。
また、相続放棄を検討している場合は、車の売却や処分を先に進めないよう注意が必要です。
相続した車については、名義変更だけでなく、相続全体の状況も踏まえて進めることが大切です。
何から始めればよいか分からない場合は、「自動車の相続。まずは何を、どうすれば良い?最初に確認しておくポイント。」も参考にしてください。

親の車の手続きは、状況を整理することから始めましょう
親の車の手続きは、同じ名義変更であっても、状況によって進め方が変わります。
例えば、次のように考えると整理しやすくなります。
- 親が自分で判断できる場合:本人の意思をもとに、家族が準備や手続きを手伝う
- 本人の判断能力に不安がある場合:通常の委任で進められるか慎重に判断し、必要に応じて専門家に相談する
- 親が亡くなった場合:相続関係や車を引き継ぐ人を整理してから手続きを進める
親の車について考え始めたとき、すぐに名義変更をしなければならないとは限りません。
まずは車検証を見て、所有者や使用者が誰になっているのか、車を今後どうする予定なのかを整理してみましょう。
状況が分かれば、必要な手続きや相談先も見えてきます。
当事務所がお手伝いできること
ゆめのほし行政書士事務所では、名古屋ナンバーの自動車・バイクに関する手続きについて、名義変更や相続手続き、車庫証明などのお手伝いをしています。
例えば、次のような手続きです。
- 親から子どもへ車を譲る場合の名義変更
- 親が亡くなった場合の自動車の相続手続き
- 車検証の所有者や使用者が分からない場合の手続きの整理
- 名義変更に伴う車庫証明などの手続き
ただし、本人の判断能力や相続関係によっては、行政書士による自動車手続きだけでは進められず、弁護士や司法書士など、ほかの専門家への相談が必要になることもあります。
親の車の手続きは、ご家族だけで無理に進めようとせず、状況に合った方法を考えることが大切です。
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