自動車を購入するとき、ナンバープレートに表示される地域名が気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
例えば、名古屋市に住んでいる方が、豊田ナンバーや春日井ナンバーにしたいと思った場合、希望する地域の駐車場を借りれば、その地域のナンバーを取得できるのでしょうか。
あるいは、実家が別の地域にあれば、実家の住所を使って登録できるのでしょうか。
こうした疑問を考えるうえで大切なのが、自動車の「使用の本拠の位置」と「保管場所」の違いです。
駐車場を借りることや住民票を移すことだけで、希望する地域名のナンバーを自由に取得できるわけではありません。
さらに、実態と異なる内容で車庫証明を申請すると、法律上の問題が生じる可能性もあります。
今回は、名古屋周辺の地域を例に、ナンバープレートの地域名と車庫証明の関係、「車庫飛ばし」と呼ばれる問題について紹介します。
ナンバープレートの地域名は何で決まる?
ナンバープレートに表示される地域名は、原則として、自動車の使用の本拠の位置を管轄する運輸支局などに基づいて決まります。
使用の本拠の位置とは、簡単にいえば、その自動車を実際に使用・管理する拠点となる場所です。
個人の場合は、通常、住所や居所がこれに当たります。
例えば、名古屋市に住み、普段から名古屋市を生活や自動車の使用・管理の拠点としている場合、通常は名古屋ナンバーの管轄となります。
一方、豊田市や春日井市など、別の地域が使用の本拠の位置となる場合には、その地域に対応するナンバーが関係してきます。
ただし、実際の判断では、住所だけでなく、自動車をどこで使用・管理しているのかといった事情も重要です。
地域名を選ぶためだけに、実態と異なる住所や使用の本拠の位置を申告することは適切ではありません。
希望する地域の駐車場を借りれば、その地域のナンバーにできる?
例えば、名古屋市に住んでいる方が、豊田ナンバーを取得したいと考え、豊田市内の駐車場を1か月だけ借りたとします。
その駐車場について車庫証明を取得できれば、豊田ナンバーに変更できるのでしょうか。
駐車場を借りただけでは、豊田ナンバーを取得できることにはなりません。
車庫証明で重要なのは、駐車場が確保されていることだけではありません。
普通車の保管場所は、原則として次の要件を満たす必要があります。
- 道路上ではないこと
- 使用の本拠の位置から直線距離で2キロメートルを超えないこと
- 自動車全体を収容でき、道路から支障なく出入りできること
- その場所を保管場所として使用する権利があること
これらは、車庫法に基づく保管場所の要件です。
つまり、使用の本拠の位置と保管場所は、別々に考える必要があります。
豊田市内に駐車場があっても、自動車の使用・管理の拠点が引き続き名古屋市にあるのであれば、駐車場の所在地だけを理由に豊田ナンバーにできるわけではありません。
反対に、生活や自動車の使用・管理の実態が変わり、使用の本拠の位置が豊田市に移ったのであれば、その実態に応じた登録手続きが必要になります。
実家の住所に住民票を移せば、希望するナンバーにできる?
もう一つ考えられるのが、実家の住所を利用する方法です。
例えば、名古屋市に住んでいる方が、春日井市にある実家の地域名のナンバーを取得したいと考え、住民票だけを実家に移すケースです。
この場合も、住民票を移したという事実だけで、必ず春日井ナンバーを取得できるとは限りません。
実際にどこで生活し、自動車をどこで使用・管理しているのかなど、使用の本拠の位置を判断するための事情が重要になるからです。
住民票上の住所と自動車の使用の本拠の位置が異なること自体が、直ちに違法というわけではありません。
しかし、希望するナンバーを取得するためだけに、実態のない住所を使用の本拠として申告することは避けなければなりません。
申請者の住所と使用の本拠の位置が異なる場合には、警察から理由などについて説明を求められることもあります。
「車庫飛ばし」とは?
「車庫飛ばし」とは、一般に、自動車の使用の本拠の位置や保管場所の位置を偽って、車庫証明を取得する行為を指します。警察庁も、このような行為を取り締まりの対象として扱っています。
例えば、次のようなケースには注意が必要です。
- 希望する地域名のナンバーを取得するため、実際には使用・管理していない場所を使用の本拠として申告する
- 実際には保管場所として使用する実態がない場所を申請する
- 実際の使用状況と異なる内容で車庫証明を申請する
ここで大切なのは、駐車場を短期間借りたことだけで、直ちに車庫飛ばしになるわけではないという点です。
短期間の賃貸であっても、実際に保管場所として使用し、必要な要件を満たしている場合も考えられます。一方、契約書があっても、実態と異なる申告をすれば問題になる可能性があります。
判断のポイントは、契約期間の長さだけではなく、申請した内容が実際の使用状況に合っているかどうかです。
車庫法違反になると、どうなる?
自動車の保管場所の確保等に関する法律、いわゆる車庫法では、保管場所を確保する義務や、車庫証明などに関するルールが定められています。
同法では、保管場所に関する虚偽の書面を提出するなどして登録に必要な処分を受けた場合、20万円以下の罰金の対象となることが定められています。
また、保管場所に関する届出をせず、または虚偽の届出をした場合などにも、別途罰則が設けられています。
ただし、どの規定が適用されるかは具体的な行為によって異なります。駐車場の契約期間や住所の違いだけで、一律に違反が成立するわけではありません。
さらに、実態と異なる申告によって自動車の登録を行った場合には、車庫法だけでなく、登録に関する法令上の問題が生じる可能性もあります。
好きな地域名のナンバーにしたいという理由で、実態と異なる内容を申告することは避けましょう。
引っ越しや生活拠点の変更があった場合は?
自動車の使用の本拠の位置が実際に変わった場合には、住所変更などの登録手続きが必要になることがあります。
また、使用の本拠の位置は変わらず、駐車場だけを変更した場合にも、保管場所に関する届出などが必要になることがあります。
必要な手続きは、普通車か軽自動車か、どの地域に住んでいるか、使用の本拠の位置が変わったかどうかなどによって異なります。
名古屋市内で引っ越した場合でも、変更内容によって必要な手続きは変わります。
住所や駐車場に変更があったときは、ナンバーの地域名だけで判断せず、自分の状況に合った手続きを進めることが大切です。
当事務所がお手伝いできること
ゆめのほし行政書士事務所では、名古屋ナンバーの自動車に関する名義変更や住所変更などの手続きをお手伝いしています。
- 引っ越しに伴う自動車の住所変更やナンバープレートの交換
- 車庫証明の申請手続き
- 相続や譲渡に伴う自動車の名義変更
ナンバープレートの地域名は、希望だけで自由に選べるものではありません。実際の住所や自動車の使用状況に応じて、適切な手続きを行うことが大切です。
車の住所変更や名義変更などでお困りの際は、必要な手続きを整理し、落ち着いて進めていきましょう。
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