自動車を購入したり、住所が変わったときに「車庫証明書」という書類が必要になりますよね。
そこで駐車場の契約書を確認すると、そこには車庫証明書を発行できないような意味の文章が書かれていることがあります。
これは一体どういうことなのでしょうか。今回は駐車場の契約書が伝えたいことについてお話しします。
この記事は「ゆめのほし行政書士事務所」が作成しました。
この記事の結論
はじめにこの記事の結論をお伝えします。
駐車場の契約書に「車庫証明書は発行できません」という内容の文章があった場合、その文章のみでは何を伝えたいのかは判断できません。
全体の契約内容やその前後の文章と照らし合わせて伝えたいことを読み取らなければなりません。
契約書が伝えたいこと
しかし、契約書が伝えようとしていることは概ね以下の3つに当てはまります。
1.そもそも窓口が違うということを伝えようとしている
一つ目が、そもそも窓口が違うということを伝えようとしている。です。
車庫証明書は駐車場を管轄している警察署にて申請を行い交付されるものです。駐車場の大家さんや管理会社から取得するものではありません。
駐車場の大家さんや管理会社さんが発行するものは車庫証明書ではなく「使用承諾書」です。
使用承諾書は、駐車場の契約者がその駐車場を使用することに対して承諾していることの証明書類で、車庫証明書の取得申請に必要な添付書類のひとつです。
ですので、駐車場の契約書に「車庫証明書は発行できません」というような内容が記載されていたときには、駐車場の契約書は車庫証明書としては利用することができないので、警察署にて交付を受けるよう伝えている可能性があります。
2.連絡なしに車庫証明書を取得しないよう伝えている
二つ目が、大家さんや管理会社さんへ連絡なしに車庫証明書を取得しないよう伝えている。です。
駐車場の契約書は一定の要件を満たしている場合に、その契約書を使用承諾書として警察署へ提出することにより車庫証明書の交付を受けることができます。
しかし、これでは駐車場の大家さんや管理会社さんは困ることがあります。自分たちが管理している駐車場に自分たちの知らないところで警察による現地調査や車両の登録が行われるからです。
警察は車庫証明書の申請を受理したあとに申請された駐車場へ赴き現地調査を行います。
駐車場の大家さんや管理会社さんは駐車場の契約書を交わすときにその駐車場にどのような自動車が停められるのかは把握してはします。駐車場の利用者が車庫証明書を必要になるということもわかっています。
ですが、事前に連絡なしに車庫証明書の申請をされると管理上の問題が生じるため駐車場の契約書に「車庫証明書は発行できません」というような内容が記載されていたときにはこのことを伝えようとしている可能性があります。
なお、駐車場の大家さんや管理会社さんへ連絡をすると、警察による車庫証明書の取得申請に必要となる「使用承諾書」を発行してくれます。その使用承諾書とその他の書類を警察署へ持って行くことにより車庫証明書の取得申請を行うことができます。
3.警察による車庫証明書は取得できないということを伝えようとしている
三つ目が、警察による車庫証明書は取得できないということを伝えようとしている。です。このケースは本当に車庫証明書の取得ができない可能性があります。
これは、日貸しや週貸しなどの短期間契約や24時間出入りのできない駐車場の契約書に見られたりします。
車庫証明書の申請では、駐車場は最低1カ月以上の単位で契約している駐車場でなければ受付をしてもらえません(3カ月以上の単位で契約されているものが望ましいです)。
また、24時間出入りすることができない駐車場では車庫証明書の交付はされません。
そのため、これらのような駐車場を借りている場合には本当に車庫証明書の取得ができない可能性が高いので、駐車場の契約書に「車庫証明書は発行できません」というような内容が記載されていたときには、この駐車場では警察署へ申請へ行ったとしても車庫証明書の発行はされないということを伝えようとしている可能性があります。
法律違反に気を付けて下さい
ここまで駐車場の契約書と車庫証明書についてお話しをしました。
駐車場の契約内容や車庫証明書のことをよく理解していなったりすると、知らず知らずのうちに法律違反をしてしまうかもしれません。
使用承諾書は自分で作成してはいけません
車庫証明書の交付を受けるためには、駐車場の管理権限者より使用承諾書を取得しなければなりません。
しかし、この使用承諾書は発行を受けるために時間を要したり、手数料がかかることがあります。
それから逃れるために使用承諾書を自分で作成すると、刑法第159条私文書偽造等の罪に問われ3カ月以上5年以下の懲役に処されるおそれがあります。
お困りのときは
最後までお読みいただきましてありがとうございました。今回は駐車場の契約書と車庫証明書についてお話しをしました。
駐車場の契約書に車庫証明書が取得できないような文章が記載されていても、その伝えたい内容や手続きの進め方によっては車庫証明書が取得できるケースはあります。
車庫証明書は新しく自動車を購入したり、転入の手続きをするときに必要なものですので取得できないと困ってしまいますよね。自動車の手続きをされない方にとっては、駐車場の契約書は見慣れないものですし、警察に車庫証明書を取得する機会もないかと思われます。
弊所は名古屋市内在住の方を対象に自動車の手続きを行っている行政書士事務所です。車庫証明書の取得についてお困りのときはお問い合わせ下さい。
※車庫証明書の取得を必ず保証するものではありません。車庫証明書の取得には、駐車場の契約書内容や契約車両の情報、その他、使用者の住所情報などが法律に適している必要があります。