自動車の手続きを進めるときによく耳にする「車庫証明書」ですが、一体どのようなものなのでしょうか。
この記事では車庫証明書とはどのようなものなのか、その詳細について解説します。
この記事は「ゆめのほし行政書士事務所」が作成しました。
車庫証明書とはどのようなもの?
1.正式名称は「自動車保管場所証明書」
「車庫証明書」は正式には「自動車保管場所証明書」と言います。
自動車の保管場所は車庫のことですので一般的に「車庫証明書」と呼ばれています。
これが車庫証明書の現物です。用紙の中央付近に「自動車保管場所証明書」と書かれていることがわかります。
イメージされていたものとは少し違うかもしれませんね。申請書と証明書が一枚の用紙になっていることが特徴です。
車庫証明書と聞くと次の用紙をイメージされていることもあるようです。
これは車庫証明書ではなく「保管場所使用承諾証明書」というものです。
この保管場所使用承諾証明書は駐車場の貸主さんから交付されるもので、駐車場を使用することを貸主さんが承諾したということを証明する書類のため車庫証明書とは似て非なるものです。
2.車庫証明書は何を証明している?
では、車庫証明書とは何を証明しているものなのでしょうか。
車庫証明書とは読んで字のまま、車庫(車の保管場所)を証明する書類のことです。
具体的には、管理者の目の行き届く距離に保管場所は用意されている、その保管場所には自動車がしっかりと収容できるスペースが確保されている、保管場所を使用するための正当な権限を有している、など保管場所に関係する様々なことを証明しています。
3.なぜ保管場所を証明するの?
それでは、なぜ保管場所に関係する様々なことを証明する必要があるのでしょうか?
それは、自動車を保有するときにはしっかりした保管場所が用意されているかどうか、ということが大切だからです。
自動車は路上や空き地などに停めておくと公共の迷惑になりますし、緊急車両が通るときの障害にもなりえます。
そのため、道路使用の適正化や道路における危険防止のため、しっかりした保管場所を用意したものにだけ自動車の保有を認めましょうと法律で決められたのです。
その法律により、自動車の保管場所として適切であることを証明したものが車庫証明書というわけです、
4.「車庫証明書」はどこで交付される?
車庫証明書は駐車場を管轄している警察署にて交付されます。駐車場が名古屋市熱田区にあるのであれば熱田警察署にて交付される、ということですね。
ただし、いきなり窓口へ赴いたとしてもその場で車庫証明書が交付されるわけではありません。
車庫証明書の交付を受けるためには、申請書類を記入したり、保管場所使用承諾証明書や駐車場の地図などを添付して申請を行います。
その申請により警察が駐車場等の調査を行い、自動車の保管場所として適切と認められた場合に車庫証明書は交付されます。
5.車庫証明書は何をするときに必要?
車庫証明書は自動車を保有するものに対して、適切な保管場所が用意されているという証明でした。
そのため、自動車を新しく購入したり、新しい場所で自動車を使用するときに車庫証明書は必要になります。
自動車を新しく購入するときには新しい車検証の交付を受けます。新しい場所で自動車を使用するときには車検証の内容を変更しなければなりません。
その新しい車検証の交付を受けたり、車検証の内容を変更する手続きを行うときに車庫証明書が必要となります。
6.普通車と軽自動車の違い
実は、車庫証明書は取得できるのは普通車のみです。
よく軽自動車でも車庫証明書を取得した、という話を聞いたり、軽自動車を購入するときに車庫証明書を警察署まで取りに行った、という体験もあるかと思います。
それは車庫証明書を取得しに行ったのではなく「保管場所の届出」を行ったのです。
これが保管場所の届出書の現物です。
車庫証明書の現物とは異なり、用紙の中央付近に「自動車保管場所証明書」とは書かれておりません。
どちらも同じように思えますが、大きく異なる点は警察署へ行くタイミングです。
普通車は車庫証明書を取得してから車検証の変更手続きを行います(警察署へ先に行きます)。
それに対して、軽自動車は車検証の変更手続きの後に保管場所の届出を行います(警察署は後に行きます)。
7.どうして軽自動車は扱いが違うの?
普通車も軽自動車もどちらも適切な保管場所を用意して警察署へ届出ることは同じなのに、普通車には車庫証明書があり、軽自動車には車庫証明書がないというのも不思議な話ですよね。
車庫証明書というのは、管理者の目の行き届く距離に保管場所は用意されていて、その保管場所には自動車がしっかりと収容できるスペースが確保されている、など保管場所に関係する様々なことを証明しているものでした。
もちろん警察により保管場所の現地調査を行ったうえで車庫証明書は交付されます。
しかし、軽自動車は普通車と比べて車体も小さく保有台数の割合も少ないので、交通に与える影響も少なくなります。
そのため、普通車のように事前に車庫証明書を取得するのではなく、事後に保管場所の届出を行うことで済ませているということです。
法律違反に気を付けて下さい
ここまで車庫証明書とはどのようなものなのかについて詳しくお話をしてきました。
車庫証明書に関することは「自動車の保管場所の確保等に関する法律(車庫法)」という法律に定められております。
知らず知らずのうちに法律に違反している、ということにならないよう気を付けなければなりません。
保管場所の届出を行いましょう
自動車の保管場所は変更した日から15日以内に届出を行わなければなりません。届出を怠ると10万円以下の罰金に処されるおそれがあります。
保管場所の位置を変更したときは、変更後の保管場所の位置を管轄する警察署に、当該自動車の使用の本拠の位置、変更後の保管場所の位置その他政令で定められた事項の届出を行いましょう。
困ったときは
今回は車庫証明書とはどのようなものかについて解説しました。
適切な保管場所を用意するためのルールがあったり、普通車と軽自動車では届出の取り扱いが異なっている、ということもありました。
弊所は名古屋市在住の方を対象に自動車の各種手続きを行っている行政書士事務所です。自動車の手続きでお困りの際にはお問い合わせ下さい。
※車庫証明書の取得を必ず保証するものではありません。弊所による調査の結果、車庫証明書の取得申請ができないと判断したり、申請後の警察の調査により車庫証明書が交付されない可能性もあります。